書籍漫画、そして今年はアニメと色々展開中の『無職転生』初読感想、ついに最終回。
番外編をの感想を書いた前回はこちら。

今回は厳密には『無職転生』じゃないんだけど、それと世界観を同じにする2作品についての感想ですね。
これで正真正銘の完結。
今回は短いので、軽い気持ちでお付き合いください。


王竜王討伐

『無職転生』本編の発表前に執筆して、本編途中に発表した作品らしい。
本当に番外編として捉えて、中断せずサッと読もう。


読了ー。
北神2世アレックスの若き英雄譚序章という内容だった。
読切単体として見ると設定過剰の描写過多なんだけど、無職転生読了後だと世界観を既に把握しているので、むしろファンに嬉しい描写が多かったな。

何か安心したのが、無職転生本編と比べて文章が読みにくかったり、構成や設定に無駄が散見されたこと。
それでも十分プロの実力だと思うけど。

何せ無職転生本編の出来が良すぎて作者さんはバケモノだと思ってたぐらいなので、「あぁ、これが成長してああなれちゃうんだ」という親近感みたいなのが沸きましたね。

特に作者さんの化け物スキル「登場人物の心情を読者に把握させる力」がまだ発展途上で、つまり「努力で辿り着ける領域」だったんだな、と。

半端な苦労ではないし才能も必要だろうけど、この事実はモノ書きに勇気を与えるのでは?
もちろん、王竜王討伐時点でも拙いなんて事は一切ないけどね。

内容についても楽しめたものの……本当に勝手な高望みなんだけど、「一騎打ちに居合わせた全員が感動した」っていう心の動きを読者にも共感させるよう働きかけて欲しかったかな。
クソ悪人のバルコルの心が洗われるぐらいの場面なのに、読者が想像・共感できる描写が少なかったのが残念。
ちょっと作者さんへのハードルが高過ぎる自覚はあるけど。

でも「アレックスの話の続きが読みたいな」と思えるぐらいには十分良かった。
主人公も全く違うのでスピンオフ感覚で楽しめる。
もちろん私は世界観の事前知識があったので作中用語も問題なし。

いやしかし、この感じだと作中世界のあらゆる人物のスピンオフで無限に面白い話が書けそうだな。
ちゃんと世界を描けてる作者さんなので、無限に深みが出せる。

古龍の昔話

2.龍魔の誕生

うおマジか!
本編重要キャラの魔龍王ラプラスのオリジン兼、6面世界の成り立ちの話だコレ!
という事は1話の語り手は技神ラプラスか!

これ作品世界の根幹中の根幹の話じゃない……?
最後にこんな話が用意されてるとは、ワクワクが止まらん。
しかし、語り手いくわ「この話はバッドエンド」か。
まぁ、そうなのかなぁ……

10.人の神の助言

面白く読みやすいのでスラスラ読める。
今の所はラプラスのオリジン話中心ですね。
そして人神が登場。
今回は普通に有用な助言っぽいので、この後に何かしてくるのかな?
しかし、人神はいつも誰にでも嫌われてんな……

甲龍王ドーラの息子、名前がペルギウスに!
ドーラが甲龍王ってあたりでうっすら想像はしてたんだけど、ここで「なるほどね」とニヤリと出来るのは長編作品の醍醐味だなぁ。
いま私、無職転生ファンっぽいぞ!

11.魔龍王

今の所は単なるラプラスのサクセス話なんだけど、嫌な予感が少しずつ累積してきたぞ……
ここから怒涛の展開が来る予感。

20.離反

うわー、キツイ。悲しみの連鎖過ぎる……。
世界が滅びたのは龍神の暴走だったと。
まだ全貌が明らかになってないけど、やはりここでも「説明と話し合い」の重要さが説かれてるね。
確かに年季数千年のイエスマン達に突然反対されても、いきなり意見交換というのは難しいか……

22.龍界の最後

うわ出たよヒトガミ。
勝ち誇ってる時のムカつくやつだ!
シラード、確かに各世界の犯人候補を四人集めて報告したあたりから怪しいと思ってはいたんだよなぁ。
人神に使徒化されてたのか……

ところで、“人神の姿をした何か“って何……?
ヒトガミ、正真正銘の人神ではなかったのか。
重要情報がバシバシ出てくるぞ。

23.そして新たな物語へ

読了!面白かったー!
途中悲しかったけど、最後に無職転生本編に繋がる情報がバシバシ出てきて高揚感がすごい。
これ、最後に読んで良かった……!
オルステッド生誕の秘密とかも分かって、かなり満足感が高かったな。

作者さんの狙い通り、読者としては「ヒトガミ許せねぇ!」とはなったんだけど、オルステッドに魔力を渡す存在ロステリーナとか、これ次回作に向けての伏線をメチャクチャ放り込んできてない……?
続編はよ!え、発表してないの!?うそだろ!?

古龍の昔話自体は、単体としてのテーマ性と面白さよりも、作品世界の補強としての役割が強かったですね。
無職転生本編読了後には「ルーデウスとしての物語は完結してるし、ヒトガミを倒す描写まではいいや」と言ってたんですけど、ここまで読み進めるとヒトガミ撃破の物語をすぐ読みたいな。
将来的には書いてくれるだろうけど、いつになるやら……

さて、これで長く続いた無職転生初読感想もおしまい。

面白かったし満足感も高いんだけど、古龍の昔話を読んだ以上、ヒトガミ撃破編が早く読みたいなぁ。
とりあえずファンとしてのスタートラインぐらいには立てたかな。
ここからはリアルタイムに追っていこう。

フジカワ ユカ (著), 理不尽な孫の手 (その他), シロタカ (その他) KADOKAWA (2014/11/23)
理不尽な孫の手 (著), シロタカ (イラスト) KADOKAWA (2014/4/24)
にほんブログ村 漫画ブログへ