春場ねぎ 講談社 (2020/1/17)

Twitterに設置した匿名質問箱の要請で設置した買われたら感想書くリスト企画の第一弾、五等分の花嫁の14巻感想です。
いつものようにTwitterで実況的にやっていたものをリライトしつつ纏めています。

さてさて、遂に最終巻。
上杉君が遂に四葉を選んで終わった13巻。
「早く次の話を読ませて俺を納得させてくれ」状態なので、とにかく先を読んでいくよ!


114話

そういう……事ですか……。
上杉君の言う通りで、「四葉がいないと、とっくにつまづいていた」は確かにそうか。
何だかんだ横にて支えてくれてたのは四葉だもんね。

いやでもやっぱ最序盤はそうだけど、2巻冒頭あたりから三玖も一緒に色々やってくれてたって!
「理屈で好きになる訳じゃない」ってのはわかるけどさー……(何でこんなにウダウダ言ってるのか自分でも分からん)

あと何か今唐突に思い出したけど、私がラブコメ苦手な理由の一つに、「キャラに思い入れるとフラれる時が辛くて嫌」ってのがあったわ!
しまったチクショウ感情移入しちまった!
俺はどんな顔して二乃と三玖に会えばいいんだ!
(コイツ気持ち悪ィなぁ)

115話

ん?おぉ?

あれ、何か思ってた展開と違う……

四葉はまだ「やる事がある」とか言って告白の返事を保留。
しかも四葉、二乃に一連の事を謝ってクッソ怒られとる(そりゃそうだ)。

ただまぁ、リアルに考えるとさもありなん。
確かに四葉の救済については以前から気になっていたけど、「付き合う=即救済」なんて話ではないんですよね。現実は。
四葉の内面について、ここから良い意味で予想外に深掘りしてくれそう。

116話

三玖と四葉のぶっちゃけトーク。

私は恋愛方面の感情移入が異常弱いので、ここにきて一転して気持ちの共感が難しい。
でも、三玖は悔しい気持ちをしっかり表に出した上で、「絶対に背中を押してあげない」と言いつつ、結果的に四葉を奮起させる姿が立派だ。
修学旅行編で二乃が三玖にやっていたのと同じ感じ。

やっぱり四葉は遠慮してたワケね。
これまでの性格から考えるとそりゃそうかって感じだけど、すんなり「やったぜハッピーエンド」とせずにこうやって告白後の描写をするのは誠実な作品だ。

そして三玖もいわゆる負けヒロインじゃなくて、ちゃんと人間的に成長して前を向けており、読後感に最大限配慮していて良かった。

最終的に三玖を応援する事にした私。
つまりまぁ一応三玖派(仮)の読者という事になると思うんだけど、三玖派としてもそんなに悲壮感がないのは驚き。
こうやって各人の気持ちに配慮した回を丁寧にやってくれるのは嬉しい。次は二乃かな?

117話

予想通り二乃と……五月もか!

五等分の花嫁14巻 四葉を煽る二乃

二乃は前回四葉に謝られて怒ってるのもあるけど、相変わらずストレートに感情をぶつけてくるので気まずいな!

意外なのが五月。謎のモヤモヤを感じている、との事。
うーん、恋愛感情じゃあない……よね?
ここらへんの機微は私の苦手分野だから、ちゃんと理解できるか不安がある。

118話

二乃「私達五つ子の輪を乱し始めたのは四葉」

切り込んできたな!二乃しかできない役割だ!

過去編を見るに、確かに四葉が最初に五つ子の中で特別になろうとしてたもんなぁ。
しかも四葉はそれで失敗して迷惑をかけているので、この事と重ねて指摘されると辛いよね……。
ただ、それでも引かずに意思を伝えようとする四葉にも成長を感じた。

表現は違うけど、着地点としては三玖と同じ。
これからもライバルとしてやっていこうって感じの気持ちの良い着地。

五等分の花嫁14巻 四葉にフォローする二乃

あと、前話で二乃が言った厳しい一言に対してちゃんとフォローしてるの、エラいよね。
作者さんの配慮の細かさがよく分かるシーンだ。

二乃と三玖のやり取りを見て、モヤモヤが消えた五月。
結局五月のモヤモヤはなんだったんだろう。

恋愛相談をしてきた中学生の子に「実らない恋でも輝かせてくれるから思い出をなくさないで」と諭すあたり、やっぱり上杉君に淡い恋心を持ってたんだろうか?
でもプリクラを見る表情が、友情のそれに見えるんだよね。

敢えて、どちらとも取れる表現をしている気がする。
そこは読者がどう感じるかって事で良いんだと思う。

119話

色々なモヤモヤを解消して、ようやく四葉とのデート!
当然のように他の4人が尾行しているのはご愛敬……。

改めて上杉君から四葉に、好きな気持ちを伝える。
付き合ってくださいをスッ飛ばして「結婚してください」という締まらなさだけど、私としてこれぐらいベタを外してくれた方が照れなく読めるわ。

この作品って恋愛漫画のベタ展開とかイライラ展開とか、私が苦手としているラブコメテンプレ要素を分かってて外しているフシが結構ある。

それがちょっとした笑いだったり脱力になったりしてるので、私みたいなラブコメ苦手人間でもここまで辿り着けてるって所はあるね。

120話

いい最終回だった……(まだです)

上杉君は東京へ進学して、遠距離恋愛か。
まぁ、彼はモテるけどモテないので心配ないね。

二乃は意外にも三玖と一緒の調理学校へ。
ちょっと意外だけど、喧嘩してた二人が同じ人を好きになって、良きライバルとして同じ進路に行くのは良いな。

うーん、もうすぐこの漫画も終わりだ。シンミリしてきた。

121話

そして5年後。ついに結婚式当日だ……。

一花はちゃんと夢を叶えたワケね。
二乃と三玖が共同でお店を出してるのはちょっと意外。

そして中野父、態度は最後までキツいけど、なかなか熱い内面を見せてくれてたので最近は結構好き。
上杉父とのコンビもいいよね。

そして……

うわ!ここにきて最後に全員が花嫁姿をして「五つ子ゲーム ファイナル」か!
いやでも……上杉君はさすがに普通に当てられると思うので、あまり心配はしてない。
ただこれで外したら悪い意味で伝説になりそう。

122話

出来レースと思ってた五つ子ゲーム、まさか上杉君が一人ずつ見分けた上に、それぞれにコメントしてくるとは……!

いやー、すげぇな。
最後まで四葉だけじゃなくて、5人全員にフォーカスしてくれるの良いな。
というか上杉君のコメントが5人それぞれの内面をちゃんと見ているので、不覚にもグッときている。

五等分の花嫁14巻 騙す五月1
五等分の花嫁14巻 騙す五月2

でもここマジでびっくりした……。
まさかの間違いで伝説が始まったのかと思った。

四葉に対してだけ、敢えて上杉君からのコメントは無し。
なんというか、結婚相手に選ばれたのは良かったんだけど、ここはちょっとぐらいデレてコメントしてくれて良かったんだけどね。
「平等に扱って!」という気持ちを、まさか選ばれたヒロインに対して感じるとは想定外だったよ。

お、新婚旅行ついてくるのか!

普通なら「ダメでしょ」と思うけど、6人の関係性をずっと見ているので「その方が楽しいだろうね」って思えるのは、私の中で作品や登場人物全員の好感度がまんまと高い証拠。

最後に高校時代に一瞬戻って当時の5人を見せてくれて変わらぬ仲の良さを示すのもニクイ演出だ。
最後は迷惑そうで嬉しそうな上杉君の「五つ子ってめんどくせー…」で終わり。

やっぱりこれは四葉との物語ではなくて、五つ子との物語って事ね。
本当に最後の最後まで一貫しているなぁ。

五等分の花嫁を読んで

五等分の花嫁、読了~~!!!!

まさか完走できるとは思わなかったし、終盤なんか普通に楽しんでしまうとは思わんかったな!
ラブコメは読んでいて精神消費がものすごく激しいんだけど、中盤からそれもなかったし、私のラブコメ史において記念すべき作品になってしまったよ。

五等分の花嫁を軽く振り返る

私の唯一にして最大の苦手ジャンル・ラブコメにも関わらず、一体なぜキツくなかったのか

やはり「恋愛至上主義じゃない」のは大きかった。

他の縦軸として「五つ子に認めてもらう」から始まり、上杉君を含めた6人の人間的成長が恋愛や勉強を通して描かれているので、ヒューマンドラマとして楽しめたんですよね。
13巻で上杉君も「勉強は学生の本分だが、それ以外を捨てる必要はなかった」と言っていたけど、まさしくそんな感じ。
恋愛や勉強だけじゃなくて、色々な事に大して一生懸命な登場人物達は人間的に魅力があったし、恋愛もあくまで「一側面」としての扱いだったので、恋愛パートになっても拒否感がなかった。

あと本当に上杉君が”主人公として優秀”。

私はいつもラブコメに対して「お前らそんなこと話合えばすぐ解決するだろうが」みたいな事を考えて萎え続けてきたんだけど、上杉君はそうした問題や疑問に早急に切り込んでくれてテンポが良かった。
「この中で俺と昔会った事あるよって人ー?」は震えたね。

五つ子も決して聖人君子じゃなく、それが良かった。
もちろん読者にストレスがないようにジメジメはし過ぎてないんだけど、真っ当に嫉妬したりズルかったりして、「記号的なキャラでなく生きていた」のも良かったかなぁ。

ヒロインレースについて

3巻の「好きだから」以降、明らかに四葉が怪しくて、描写の薄さも五つ子の中で際立っていたので、ずっと四葉が気になっていた。
上杉君が四葉を選んだ事に大して、私個人としては「エピソード不足」を理由に納得がいかなくて、当初モヤモヤはしたのが正直な所。

でも最後まで「五つ子の話」で一貫してくれた事で安心した。

これで「四葉が勝者です!」「他の4人もまぁそれなりに幸せに暮らしてますよ」みたいな終わり方をされたら、嫌だったかも。
最終話の最後の最後まで五つ子全員を”公平に”扱ってくれたので、四葉を選んだ事は最終的に私の中でクリティカルな事象にならなかった。

ヒロインレースという言葉は聞くし、私も「誰が選ばれるんだろう」とは思ったものの、本作は一貫して五つ子と上杉君の物語だった。
一応三玖を応援していたものの、6人で幸せになって欲しいというのが、読者としての本音。

だから、新婚旅行に全員で行ったのは私の中ではアリかな。

ラブコメとして

最終巻の115~118話あたりはさすがに恋愛的な心理描写が全面に出てきて、これに関しては五つ子のパーソナルに関する興味で何とか乗り切ったけど、やはり深い恋愛の話になると共感をするのが急に難しくなった。
これは本作の問題じゃなくて、明らかに私の問題。

だから本作を私が楽しめたのは、「ラブコメ耐性がついた」と言うより、「五等分の花嫁だから楽しんで読めた」というのが結論だと思う。

だから「他のラブコメも読めるようになりました!」とは決して言えないかな。
これからは「ラブコメは苦手ですが、五等分の花嫁は楽しく読めましたよ」って言うと思う。
私の中では最上級の褒め言葉です。

さて、こんな所かな。
累計の感想文字数は4万字オーバー。
ここまで読んでくれた方も、ありがとうございました!

いやぁ、疲れたな。もう一生分のラブコメを読んだわ。

次回予告?

春場ねぎ 講談社 (2020/1/17)

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