買われたら感想書くリスト企画の第二弾、かぐや様は告らせたい 9巻感想です。
ちなみに過去のかぐや様感想の一覧はこちら

基本的に事前知識無しで読んでるんですが、どうやら9巻は「何か起こる」らしい。
5巻でも「何か起こる」と言われてあの大惨事だったのでメチャクチャ怖いんだけど、あの頃よりは前向きになってきたからね!
いつものように素直に忖度せず読んでいきますよ。


81話

体育倉庫イベントを経て、四宮さんの白銀君耐性が大暴落。
すぐに乱れてしまう心を落ち着ける為の、ルーティーンを習得する回。

結局ルーティーンを使う事が出来ず慌てちゃうんだけど、「四宮さんをドキドキさせないといけない」という展開的な都合もあってか、白銀君がすげーグイグイくる!
もう1巻と比べたら二人の距離が相当縮まったよね。

結局パニックになって白銀君をぶん投げて気絶させちゃうんだけど、全てが終わった後に、落ち着く為に使われるルーティーン。

かぐや様9巻 ルーティーン

後の祭り過ぎて笑ってしまった。意味ねぇ!!

82話

パリピ丸出しの応援団に勇気を出して入る石上君!えらいぞ!
そして「勇気出して入ったのはいいけど、場の空気に馴染めずに一瞬で後悔しちゃう」という、割と現実でもある話だ!

それにしても、パリピ描写の偏見があまりにも強過ぎる……!
「女子制服を着て参加する」という謎の応援団の決定により、四宮さんから服を借りてメイクもしてもらい、白銀君が嫉妬するというオチ。

でもこの1話単発では弱いので、これは体育祭に向けた前振り回って所かな?
石上君が活躍する予感かもしれない。違うかもしれない。

ところで本筋には一切関係がないんだけど、

かぐや様9巻 女装を見られる石上君

石上君が着替えるシーンでキッチリ伊井野さんを出して勘違いさせておくの、作者さんの笑いに貪欲なセンスが光るよね。

83話

うおぉ……「白銀君が四宮さんに嫌われたと思って家で落ち込む回」なんだけど、初めて明らかになる色々リアルな白銀家の問題!

お母さんいないって言うから死別かと思ったら、完全別居中なのか。
そしてお父さんは未練があるから離婚届に判が押せないと。キツイな……
更に妹の圭はガッチガチの反抗期だし、白銀君はこれでよく優秀な成績を保ちながら「優しい人」でいられてるよね。すごいよ……
ちょっとしんみりしてしまった。

84話

かぐや様9巻 白銀君のソーラン節

冒頭からヤバいwww
これはもう1発で分かる。私の大好きな白銀君の苦手克服回だ!

と思ったけど……あれ、いつもと展開が違う。
白銀君の態度に藤原さんが怒って見放してしまったぞ!?
代わりに四宮さんに教えてもらう白銀君を見て、過去最大に不機嫌になる藤原さん。い、意外な一面!

四宮さんの指導に対して小声で「分かってないなぁ(笑)」とか挟んでくるし、すげー嫌な奴になってる!
「形さえ出来れば観客には通じる」という四宮さんに対して、「白銀君の未来を考えた、中身の伴う指導の大切さ」を主張する藤原さん!
いつもにも増して完全な母親ムーブで笑ってしまった。
やっぱり苦手克服回は面白いなぁ。

85話

伊井野さんのお友達、風紀委員の大仏さん(名前は初出?)視点でみた風紀委員の話……と見せかけて、石上君の話だ!

石上君の「意中の女子をストーカーして、交際相手の男を殴った」という過去がようやく判明。
いや、う~ん……?普段の石上君を考えると、これはどう考えても誤解でしょ……。
だとしても、どう勘違いされたらそうなるんだろう。なんじゃそら。

急に応援団に入った石上君に違和感があったんだけど、石上君の中で「変わりたい思い」みたいなのがあるのね。
まだ詳しくは分からないけども。
そして「石上にとって忘れられない体育祭が始まる」というモノローグで、次回に続く。

おお、恋愛とは違う縦軸が出てきたぞ!先が気になってきた!

86話

体育祭本番だ!
そして職業不定のため突発で遊びにきた白銀父が不気味過ぎる……!
この人表情も全然変わらないし、普通にワケ分からんムーブ取るから作中トップクラスの不思議キャラだよね。

87話

う、う、うわああぁぁぁ!!!!

かぐや様9巻 藤原家長女 豊美さん

藤原家長女の豊実さんエッッッロ!!!
こんな大学生ヤバ過ぎるでしょ…………最高かよ……

事前に言われてた9巻の見所ってここか。
ありがとう……ありがとうございます…!

そんなこんなで(私一人で)ハシャいでたら、体育祭に対して前向きになった石上君の前に登場する、一人の女の子。
そして次回に続く。

うお、一転してシリアスだ。
そしてこれは多分アレか。噂の渦中になっていた被害者の女の子だよね。
次回はどんな話になるのか注目だ。

88話 そして、石上優は目を閉じた③

石上君の過去が公開。

こ、こういう事か……!「省みない正義感による失敗」「悪意との対面」
この2つって、どちらも思春期に遭遇する事があるトラウマイベントなんだけど、石上君はこの両方を最悪のタイミングで食らってしまったワケか。
これは辛いな……!

想定以上に「リアルにありえる範囲で最悪」という感じなんだけど、ポイントは守ろうとした大友さんからも軽蔑されてしまったという事。
いやこうなった以上、石上君には「大友さんの事を考えずに全てをブチ撒ける」という選択肢もあったはずでしょ。
でもそれをしなかったのよね。優しさなんだろうな……

89話

引き続き石上君の過去編なんだけど……。
停学になっても、書けない反省文により復学ができなくても、頭では「告発してやる」とまで思っても、結局大友さんのために真実を打ち明けず一人で頑張っていたのか。すごいやつだ。

以前、選挙編で伊井野さんの努力が笑われる事に苛立っていたのも、そういう事なのね。
こういう性格、良い奴なんだ。

そして登場したのが、白銀君を初めとした現生徒会メンバーって事ね!
「頑張ったな石上」「よく耐えたな」
色眼鏡で見てくる学校、圧力をかけるだけの親、そんな閉塞的な状況が続いた石上君に、この言葉はメチャクチャ嬉しいだろうよ。
白銀君やっぱりカッコいいなぁ!

既に生徒会に入った段階で、石上君は一度救ってもらっていたワケね。

予期せぬ大友さんとの遭遇により一瞬それを忘れてしまい、周囲の表情も見えずにまた「目を閉じた」んだけど、白銀君の鉢巻きによって再び「目を開けて」周囲の表情が見えるという演出。
うん、普通にいい感じの話だなぁこれ。

90話

結局石上君はリレーで一位になれなかったんだけど、改めて目を開けた事で周りの人達の善性に気が付くという、爽やかで青春な演出!
こういう経験をした人って、一般的に本気になる事にストッパーがかかってしまうんだよね。

かぐや様9巻 体育祭編ラストの石上君

でもそれを乗り越えて本気で応援して本気で喜ぶ石上君の表情に、オジサン感動しちゃったよ!

今回で絶妙かつ独特だと思ったのが、何も知らず石上君を責める大友さんを「絶妙に腹立つ感じで描いた事」。
当然読者としては「真実教えてやれば大友さんはどんな顔するんだろう」という暗い感情が湧いてきて、四宮さんがそれにしっかり言及してくれるんだよね。(これを言う役割は四宮さんしかいない)

大友さんをそんな風にムカつく感じに描きながらも、彼女には「秀知院には楽しい思い出ばっかり」と良い笑顔をさせて、石上君が守った笑顔を描く。
やっぱり石上君は損な事をしてるんだよ。決して報われていない。
でも彼が報われる事よりも、彼の意思を尊重した結果になったワケだね。
無闇に善性をヨイショするのでなく、こういう着地をさせたのは面白いバランス感覚だと思う。

91話

かぐや様9巻 何回でもシコシコするゲーム

感動の余韻に浸りながらページをめくったらコレだよ!
何かいつも真面目な話の次ってヒドイ話が多くないか!? 作者わざとだろ!!

さて、風船割ゲームをする回。
前回改めて行動に移して実感できたことで成長した石上君、そして前回改めて人のために動けるカッコ良さを示した白銀君、そんな二人の印象を敢えてブチ壊すかのようなチキンっぷりに苦笑してしまった。
すげぇ方法でシリアスと笑いのバランス取ってくるなこの作品……。

9巻振り返り

9巻読了。
やっぱり恋愛以外の軸の話だと面白いし、ギャグとシリアスのギャップこそが本作の良さだな、と。
本来ならそれに加えて「恋愛」という要素も入り、このギャグ・シリアス・恋愛の三要素でカオスな纏まりを形成するのが本作の魅力なのかも。
私は恋愛がダメで片手落ちの状態だから、9巻になるまで気付かなかったけど。

体育祭の話は、勘違いしそうなんだけど「既に救われていた事を思い出して、改めて実行し、過去を振り切った話」なのよね。
既に救われていた石上君でも、やっぱり過去を振り切るというは本当に大変。
色んな描写が総合的に真に迫っていて、学園モノとしてのリアリティが高かったと思う。

しかしまぁ、思ったよりもクズが出てきたよね……。
スケットダンスのシリアス回に迫る勢いのリアルクズだったので、ちょっと驚いてしまった。
似たような経験のある人は多分いるだろうし、読んでて辛い人もいただろうね。

そして辛い時、閉塞的な時に、「理解者」というのは大事なのだ……

こうやってシリアス回も挟みつながらキャラクターを多方面で描いてくれる事で感情移入度も増すし、ギャップも楽しめる。
読めば読むほどハマっていく魅力があると思う。
あとはなー、恋愛回が楽しめれば、更に良い感じのバランスになるんだけどなー。恋愛は全然刺さらんなぁ。

つづく!

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