画像は書籍版から。
無職転生Web版の初読感想その3です。

前回の納得いかない展開と(脳内で)戦いながら何とか読み進めていったら、最大の伏線回収に感服。
物語の方向性が定まってきたぞ。
未読の方は一緒に読んでくれたらもっと楽しめるかも?
ノベルが苦手な人は漫画版もどうぞー。

これまでの内容はこちら。


第14章 青年期 日常編

第133話「ロキシー教師になる」

第二婦人ロキシーとの朝チュンから開始。
崇拝対象の肢体を拝める事で感動する主人公。
うん、いつも通りだ。

分かっている。
重婚のゴタゴタは前章で解決済み。過ぎた話だ。
でも何か……うん、正直読む上で感情はザワついている。
ロキシーとの生活に幸せを感じる主人公に私はモヤモヤしている。

主人公がいない半年で超高性能義手を開発していたザノバ。
ここらへんは珍しくご都合主義なんだけど、主人公の左手欠損という事実は既に役割を終えているので、これはアリだと思う。
本当は義手の性能アップが欲しいだろうに、人形研究に集中するようアドバイスする主人公はエラいぞ。

学校メンバーへのロキシー紹介。
ずっと感じていた違和感を最後にロキシーが指摘してくれたんだけど、妻として紹介してない。
これは……ウッカリでいいんだよね?怖い。

展開を憎んでキャラを憎まず。
別にロキシーが悪いワケではないので、ちゃんと妻としてハッキリ紹介しないと不安がるぞ、主人公よ。

第134話「三年生」

ロキシーに昨晩の主人公がどうだったかをトークする第一婦人シルフィ。
マ、マジか……。
重婚生活に順応できてないのは私だけなのか!?

うーん、ちょっとまずいな。
ここらへんの描写に全部引っ掛かってたら先に進めんぞ。
心も持たない。困った……

言うべき事は言った上で気持ちよく重婚を受け入れてくれるクリフ先輩の好感度が爆アゲだ!
一夫一妻制を是とするミリス教皇の孫なので、本来メチャクチャ戒律厳しいだろうに。
恋人エリナリーゼの影響で柔軟になったのもあると思う。

出会いが人を育てる本作、学校メンバーは本当にみんな良い方向に成長してるよね……

第138話「水王級」まで

久しぶりの新魔術習得回。
とりあえず普通に発動させて、原理を理解して、主人公なりに応用を利かせる。
という試行錯誤は久しぶりで、ワクワクするな。

「3人でいる事が幸せ過ぎる」という主人公。
登場人物が幸せならそれで良い、とも言える。
嫁さん二人も幸せそうなので私も頑張って慣れようか……。

第140話「両手に花」まで

ごはっ、頑張って慣れようという私の決意を嘲笑うかのような3P展開!

断っておきたいのが、ハーレムが苦手なんじゃないんですよ。
私は性に偽悪的ながら誠実だった主人公を評価してたので、それが名実共に性にだらしなくなっていく事で、好ましいと思っていた主人公の性格が毀損されていくのがキツいんだ……。
が、がんばる。

第143話「第四段階」まで

14章終わり。
一部で私の心を破壊しつつも、良い日常編だった。
獣娘コンビ、最初は好きじゃなかったけど彼女達も成長したし、お別れのシーンは寂しかったな。
そろそろ革新に迫りつつも、怖い展開が待ち受けてそうな予感がする。
とにかく転移者ナナホシの体調不良が不安要素過ぎるんだよね……。

本章は好感度の高かった主人公の信用が私の中で揺らいでたせいで不安ばかりだった。
でも性に関して以外はいつも通りで安心はした。
奥さんや友人にもちゃんと配慮できてたし。
ロキシーを第二夫人として紹介し忘れてたシーンとか、めっちゃ警戒したもんな。
結局、ただのウッカリだった様子なので安心した。

間話「新たなる剣王の誕生」

章の合間でずっと展開されているエリス編。
あまりのストイックぶりに心配な時もあったけど、免許皆伝でようやく本編に参加できそう。
主人公の為に強くなるよう修行した彼女なので、相当な強敵に苦戦してる所を颯爽と助けてくれたりするのかな?

でも私が心配している事はですね、エリスさん。
主人公、重婚してるんですよ……

第15章 青年期 召喚編

第145話「ペルギウスとの謁見」まで

甲龍王ペルギウスさん、親切にみんなの質問に答えてくれるの優しいな。
「他はないか?」とか聞いてくれるの親切じゃない?

シルフィに息子がいるか確認した事と、人神についてのアレコレが気になる。
何か世界の色々な核心に迫ってくる予感がするので、この章はじっくりと読んだ方がよさそう。

あと、ザノバがペルギウスに気に入られてるの嬉しい。
人形大好きなのに作成の才能が無かったザノバ。
きっかけは偶然にせよ、情熱と努力で人形技師として成果を出してきているので、素直に「良かったね」と思える。
「単発のイロモノキャラ」とか言って悪かった。
本作、基本的にキャラを大切にするよね。

第149話「キシリカを探して」まで

約100話ぶりの魔大陸だ。
懐かしの町、キャラ登場というのも長期作品ならではの醍醐味。
厳しい土地なので知り合い死んでるのは悲しいリアル感…

そしてクリフ先輩、キシリカが望みを叶えると言ってくれてるのに、妻の解呪を目的とした魔眼をお願いするのではなく、現在の行動目標であるナナホシの病気の方を優先してくれるの、清廉過ぎる。

出会った当初と現在で比較した好感度の差、特別生メンバーは全員かなり高い位置にあるんだけど、その中でクリフ先輩は男としても人間としても抜群のアゲっぷり。
しかもその魅せ方がさりげないのがニクい。
私だったらもっとあからさまなアゲ描写をして、読者を冷ましちゃうと思うなー。

第152話「空中城塞での一日」まで

ザノバ大活躍……!
アホ魔王アトーフェに肉弾戦しかけて足止めするの、能力もすごいけど胆力がヤバい。

あとペルギウスへの人形販売許可トークも素晴らしかった。相手の視点と価値観に沿って話を展開させて、自らの望ましい結果に導くの、シンプルに営業スキルが高い。
いつも落ち着いてるし、やっぱり強い信念があると違うね……

ザノバ、ここまでしっかりしてると結婚相手の頭を引っこ抜いたのが謎。
そりゃ価値観は一般の人と違うし、当時より成長はしてるんだろうけど、どうも現在の彼と繋がらないエピソードなんだよな。
本作らしくない。
あまり詳しく触れられてないけど、人形関連で嫌な事を言われたのか……?

第153話「ターニングポイント4」

げ、サブタイが「ターニングポイント4」だ。こっわ。
いや、でも今の所は平和だしな……。
そんな変な感じにはならんだろ。

第154話「終わりと始まり」

息を飲むような展開。
こんな緊張感のある話を読むのは久しぶりだ。
色々なものがひっくり返った気がする。

人神、確かに怪しかったけど、今回を騙すためだけに色々助言してたって事か。
でも目的が分からんぞ。
そして妻は助かったけど、直前に人神が運命の話をしてるんだよなー。
助かる運命があるって事は、死ぬ運命も……。
とにかく先が気になり過ぎるぞ。
おっもしろい。

エリスは予想通り、このままでは対立する予定だったらしい。
老人によって衝撃展開がバンバン放り込まれて、更に未来日記までゲット。
この日記の中身、メチャクチャ怖いな。
先程の運命論を本当に信じるとすると、これからは日記に指定された運命を避ける為に色々と奔走する事になるのか……?
そしてナナホシに相談って何なんだろう。

第16章 青年期 人神編

第155話「日記 前編」

あ、前にここまで読んでって勧められた章だ。
小出しにするかと思っていた日記の内容が容赦なくドンと公開。
そして内容にも容赦がない……。
積み重り続ける悲劇に、主人公と一緒に私も息が詰まる。
ここまでの道のりで物語に感情移入してしまってる自分に気付くな。
それにしても日記の内容、未然に防げて良かった。

第157話「覚悟」まで

人神の再登場。
妊婦の隙に殺そうとか許せん奴だ。
予言は、ロキシーと引き離そうという画策もあったらしい。
なるほど、そう考えると今までの予言にもそういう背景がいくつかあったような気がする。

気になる・分からない・真偽を確かめたい情報のオンパレードだ。
ううむ、読む手が止まらないぞ。これは相当面白いな。
150話越えてこんな話を仕込んでくるとは!

第158話「ナナホシの仮説」

ナナホシの仮説がかなり面白い。頭良いな……。
タイムパラドックスとか時間修正とかの概念を用いて推理ができるのは、転移経験者であり現代人の知識を持つナナホシならではという感じがある。

しかし主人公、それでもオルステッドを殺そうとするかー。
確かに人神の手先は嫌だけど、日記の描写もあるし、パウロの死もあった。
ついてきた読者としては「何を置いても家族を失いたくない」という主人公の気持ちは理解できてしまうな。

ポイントは人神がどう悪いか。
そこをオルステッドと相談して欲しいんだけど、それ自体が敵対行動だもんなー

第159話「手紙、届く」

オルステッドに勝つ為に修行していたエリスにとって正に絶好のタイミングだ。
オイオイここにきて伏線回収すごいぞ!
ナナホシの仮説の時も思ったけど、作者はどれぐらい先を考えて話を作ってるんだ!
緻密な伏線をそうだと感じさせずにさりげなく既存の話に配置してあるの、何だこの技術。
ちょっとヤバいぞ無職転生。

第163話「狂剣王対龍神」まで

これで倒せるワケはなく、オルステッドの配下に。
この展開は正直予想通りだけど、その過程で何かを失うんじゃないかと心配してたので安心した。
途中ヤバそうな雰囲気が漂ってたのでかなり怖かったぞ。

第165話「エリス・グレイラット 後編」

16章終わり。
いやー、一気に読んだな。
何というか色んな伏線と溜めがここにきて爆発していた。
ここまで緻密に話が組まれているとは思わなかった。
まだ途中だけど、全部読み終わったら二周目いっても楽しめると思う。
繰り返し楽しめるノベル、あまり多くないし、良い作品である証拠だ。

伏線とか大量に仕込む作品って、先の面白さにばっかり目が奪われて足元が疎かというか、序盤不自然だったり、つまらなくなりがち。
本作は伏線を意識させず普通にこれまでの話が面白かった。

人神も最初に思いっきり疑って、徐々に気を許していく流れに私も騙されて信用してしまってた。
エリスが対龍神を目指して鍛えたのも自然で、今回の話に繋がるとは思わなかった。

次章は王国編か。多分ギレーヌの手伝いとアリエルの王位争いを兼ねた展開かな。
人神の打倒という大目標も見えてきたし、これはゴールが見えてきたか……?

第三婦人の誕生に関してまだ精神的ダメージが低いのは、もちろん事前に覚悟していたのもあるけど、私個人としては「主人公の性へのだらしなさが現状描写されてない」というのが大きい。
これで次の章で「よっしゃ4P実現の作戦を練るぜ」とか言い出したらまた吐く。

第17章 青年期 王国編

第167話「説明」まで

オルステッド思った以上に良い人!
待ち合わせに一人で来るように要求したのに、エリス同行でも「思ったより人数少なかった」とか、度量が広いぞ。
主人公の気持ちに配慮して、先に家族を守る方法を教えたりするのも優しい。
不意打ちで襲われて貴重な魔力をごっそり削られたのに怒ってないのか。

本気を出せない理由が「魔力回復が遅い」ってのは納得。
そういう中で主人公をしっかり治療してくれたのも優しいよね。
偉ぶらず対等のように知ってる事も教えてくれるし、お金の無心をしても嫌がらず貴重な剣とか魔石分けてくれる。
何この人。す、好き……!

第168話「初任務へ」

老デウスの日記+オルステッドの運命視の合わせ技すごいな。
かなりの反則だけど、それだけ人神が強大なのか。
まだ実感が沸かない。

しかしオルステッド、装備も用意してくれたり圧倒的理想の上司……!
「お前の知的好奇心を満たすために話をしていない」と主人公を叱った直後「他の家族の歴史を聞くか?」って言ってくれるの、やだ何……す、好き……!(2回目

「もし失敗したら、次回はうまくやる」とはまた、気になるセリフ。
ループものとしか思えんぞ。
今の段階で予想も出来ないんだけど、主人公とナナホシはループの中に入れているんだろうか。

第175話「アスラ王国にいく前に」まで

17章終了。
色々準備や情報整理の章。
そして、重婚以来 どこか隙間風に凍えていた私の心がオルステッド様のお心遣いに温かさを取り戻す章。
これで物語後半、オルステッドを裏切ったり、逆に裏切られる展開があったら俺は今度こそ吐くからな。
絶対だぞ。

難しいというか「どうするんだろう」というのが、現在の物語構成。
老デウス日記本来の運命、そして現在3ルートの時間軸があり、これを考慮しつつ敵の人神は「誰かに間接的に介入してくる」という分かり辛さ。
しかもその舞台が、単独でも分かり辛い王位争いときた。
これはかなり複雑になりそう。

先の見事な伏線回収を見ると、作者さんがこの話を書き切る事は普通に出来ると思う。
注目したいのはそれをどこまで”一般的に”面白くできるのか、ですね。
SF歴史小説並みに複雑にするとかなり面白そうだけど、ついていけない読者がいそう。
早めに人神の手先を特定して、話を単純化させるのかなー。

あと、ルークが人神の手先っていうのは見えているミスリードだと思ってて、良いタイミングで「手先じゃないんだぜ!」って感じで男を見せるような気がする。
だって彼、あんまりクローズアップされてないんだよね…
迂闊に予想を立てるのも初読感想の醍醐味だ。
当たるも八卦!当たらぬも八卦!

第18章 青年期 アスラ王国編

第180話「トリスティーナ」まで

早々にルークが人神の手先確定で笑う。
いや、このまま株を下げて終わるだけのキャラではないはず……!
「我がオルステッドコーポレーションは福利厚生もしっかりした良い会社」が何か面白くてハマった。
従業員第一で考えてくれる社長の下だと、モチベーション高く働けるよね。(もはや作品感想ではない

第184話「アリエルの戦場」まで

王位争奪シーン、複雑さが心配だったけど、ゴッソリと課程を省いてその結果だけで終わらせたのは英断。
確かにそこを細かく描写する必要性はないので、省略されても不満点はなかった。
アリエルにはアリエルの戦いがある、と早めに切り離してたのが上手い。
それでいてペルギウス登場時の王手感はカタルシスしっかりあるし、申し分ないぞ!

第189話「帰還と決意」まで

18章終わり。
かなりの読み応えだった……。
うん、後半が戦闘主体だったのもあって細かい感想はないけど、シンプルに面白かったな。
政争をすぐに終わらせて、戦闘とルークの心情描写に分量を割いてくれたのは良かったと思う。
水神の異常な強さの緊迫感は凄かった……!

北神撃破で話を終わらせずにルークの暴走を入れたのは、人神の使徒という彼の立場を、名実共に完全に脱却させてあげる禊の目的だったのかな。
あのシーン無しだと本当にただのモブで、そのままアリエルの忠臣になられても確かに読者的にはモヤる。
今後も登場できるよう、キャラを大事にした結果かな。

社内メールや社長、会議室やら、オルステッドの下で動く事を会社に例える描写が一貫して何かツボだ。
それにしても一人ループを100回以上、孤独に繰り返すのはキツい……。
何か描写的には、主人公は従来のループには存在してない感じがするんだけど、どうなんだろう。

第19章 青年期 配下編

第190話「近況」

  • 主人公の子供を肩車してご機嫌のオルステッド
  • 仕事の報告よりも出産の立ち会いを優先させてくれるオルステッド

なんだこれは。と、尊い……
仲間になって以来、オルステッドの好感度をバシバシ上げようとしてくるぞ。

主人公が聖級の治癒魔術を習得。
前回の戦いもそうでしたが、最近戦いのレベルが極まってきて身体欠損が避けられなくなってきたので、これは納得。

第193話「研究進捗」まで

懐かしの猫娘リニアが実質メイドに!
働き手は足りてるので、どういう目的だろう。
今後の展開に向けた伏線になる……のか?
聖獣もいるし、また獣族関連で何か社長指令があるのかもしれない。
そうでなければ嫁候補なんだけど、それはもういいでしょ?十分だよ!な!

第195話「起業」まで

リニア、まさかの家庭不和要因……ッ!

家の空気感への配慮、人間関係を考慮しながら相手の適正に合った仕事選びと、一家の大黒柱と中間管理職を兼ねるリアル中年パパの悩みが凝縮された回だ。
愚痴無しで奮闘する主人公に応援の気持ちが止まらない。

リニアの誘惑を振り切ったのもエラいぞ!

第199話「次の戦い」まで

19章終了。
流石、自然かつスムーズな流れと人選で傭兵団が設立。
これ、今後色々と活躍してくれそうだな。
傭兵団のトップがオルステッドになるので、何か最初冗談だったけど、本気で会社感が出てきたぞ。

次はザノバ編か。みんな大嫌い(予想)なパックスがクーデターとは、地獄になってそう。
みんな大好き(予想)ザノバは今回の事で王様になるんだろうか。

次回に続く。

フジカワ ユカ (著), 理不尽な孫の手 (その他), シロタカ (その他) KADOKAWA (2014/11/23)
理不尽な孫の手 (著), シロタカ (イラスト) KADOKAWA (2014/4/24)

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