画像は書籍版から。
無職転生Web版の初読感想その2です。
ここらへんから、さすがに未読者向けではなくなってくるかも。
時間ある人は一緒にWeb版を読みながら見てくれると楽しめるかもしれません。

その1はこちら。始めた経緯も書いてます。

理不尽な孫の手 (著), シロタカ (イラスト) KADOKAWA (2014/4/24)
フジカワ ユカ (著), 理不尽な孫の手 (その他), シロタカ (その他) KADOKAWA (2014/11/23)

第7章 青少年期 入学編

第64話「泥沼の冒険者」

主人公の二つ名が決まったと思ったら……泥沼!?
なろう小説の主人公の二つ名が泥沼!?
確かに足止め戦術得意だったけど、水魔法得意なんだし、もっとそれっぽくて良いのに……。

女性に迫られて「DTだったら勘違いしていた」と受け流せるの、主人公の成長っぷりが少し寂しくなるレベルだ。
リアルに考えると女性経験を経て、”解禁されちゃう”というか、”味を占めてしまう”人って結構いて、偽悪的ながらエロ言動の多い主人公だったので少し心配してたんですよね。

本作、読んでいている中で裏切られるどころか想定を上回ってくる事が多いんだよなー。
今回の主人公の女性への真摯な誘惑受け流しも、私の悪い予感をしっかりと裏切ってくれた。

第65話「推薦状」

先程女性への余裕を褒めましたが、あっそういう事……ごめん……
まさかなろう小説の主人公がそんな事になってるなんて思わんよ!
エリスはとんでもないものを盗んでいきました。
というか、本当に傷心してる描写が入ってるので主人公かわいそう。

魔法大学推薦やったー!
となった所で、主人公は相変わらずのリアリスト&疑いっぷりで拒否。ちょっと残念。
そこで久しぶりの人神が良いアシスト。
19話の転移事件の真相が解けるって事!?
これは気になるな。
あと主人公が普通にかわいそうなので、”自信”を取り戻して欲しい!
これはモチベーション上がるぜ!

第67話「入学初日・前編」まで

魔法大学の試験。
なろう的偏見で言えばまさに「俺なんかやっちゃいました?」をかます絶好の機会なんだけど、勿論そんな事はせず。
でも乱魔を使いこなしてて読者としてはニヤリ。
年下の先輩にも礼儀正しく、安定した社交性だ。
あと「息子をビッグ」にでワロタ。

第68話「入学初日・後編」

主人公をフィギュア製作の師匠と呼ぶ怪力狂気王子のザノバが再登場。
お前、単発の色モノキャラじゃなかったのか……。

ザノバがイジメられてないかずっと気を回す主人公優しい。
幼馴染助けた時もそうだったけど、一貫してイジメは絶体に見逃さない所に好感が持てるな!

第六十九話「フィッツ先輩」

入学試験で打ち負かしたフィッツ先輩。
それまで負け無しだった事を聞いた主人公の感想が「初めて負けたのに根に持ってないフィッツ先輩の心根を称賛する」って、すげぇな。
建前じゃなくて本音で相手を尊重できてるの何だこれ……。
「調子に乗らない」というニート時代の反省が徹底して生かされている。

第8章 青少年期 特別生掌握編

第71話「及ばぬ力 後編」まで

フィッツ先輩の正体がずっと気になる……
無詠唱を教えた師匠のこととか、近寄るとドキドキするという表現とか、うーん、幼馴染のシルフィ説しか思い浮かばないんだけど。
ただ私はこの手の展開予想はことごとく外すタイプなので、先を読み進めていこう。

第72話「獣族令嬢拉致監禁事件 前編」

主人公、入学からずっと相手を尊重して柔らかい物腰と敬語で接する人格者描写を続けておいて、ロキシー人形の破壊で作中一番のガチギレを発揮するの面白過ぎる。
やっぱり学園編、今までと違って別に危機は迫ってないしノンビリなんだけど、こういう展開でも普通に面白いのいいぞー。

第73話「獣族令嬢拉致監禁事件 後編」

主人公「許して欲しいんだったらこの人形くっつけて元通りにしてくれよ!」
くっそwww
ネットスラングネタをノベルでやるのは好まないんだけど、あまりに適材適所過ぎて笑ってしまった。
うーん、本作に対する心理ハードルが下がってるのもあるだろうなぁ。

第76話「絶壁の婚約者 前編」

そういえば8章のタイトルは特別生掌握編
確かに一人ずつ掌握していってるんだけど、俺TUEEE的な形で従えているワケじゃないので、交渉や人間性で仲良くなってるので全然問題ないな。
思った以上にちゃんと学園編だ。
でも主人公は授業は受けつつ指導者は付いてないし、期待してたパワーアップ描写はなさそう?

それにしても、うーん、やはりフィッツ先輩からのフラグが明らかに立ってる。
何なんだろう。
シルフィじゃなくても主人公の知り合いなら何故名乗り出ないんだろう。
多分何か深刻な意味がある気がする。
何か深い事実が明かされるまでは、今の内に学園編を楽しもう。

第78話「白い仮面 前編」

うわうわうわ、急に不意打ちでとんでもない展開になってきたぞ!
主人公と同じ転生者じゃなくて、ナナホシは転移者か!
ただの舞台装置だと思ってた異世界転生が急に話の本筋に食い込んできやがった!
しかもナナホシは元の世界に戻りたいと。
これは……どうなるんだ?
私が異世界転生モノに馴れてないから、全く想像がつかないぞ!

第八十話「魔法大学での一日」

主人公は転生者。
新しい肉体でこの世界に来ており、成長するし魔力もある。
今の世界で生きていきたい。

ナナホシは転移者。
そのままの肉体でこの世界に来ており、老いない。そして魔力は無い。
元の世界に帰りたい。

これでもかって程に対比してきたな……。
転移者も召喚されたっぽいし、謎が一気に広がったなぞ。

しかし次の章、タイトルがシルフィエットという事は、やはりそういう事か……?
主人公の病が治る前振りまでされてるんだけど、主人公に釣り合う為に修行中のエリスはどうなるの?
大丈夫?何か悲しい感じにならないよね?
今回も予想は越えてくれるといいんだけど……

第9章 青少年期 シルフィエット編

第84話「入学初日・番外編」まで

シルフィの過去話。
そういうことかー。苦労したなぁ。

何よりも驚いたのはシルフィの過去自体ではなく、権力闘争の描写が分かりやすくて上手い。
最序盤に出てきた事件や、これまでに描写された家柄の話や人間関係とかをしっかり活かして、読み手が疲れないようになるべく新情報少なく話を作っているんですよね。
見事過ぎる……

権力闘争話、まず派閥の枠組みとか設定を考えるのが結構大変。
更にそれを飽きずに読者に読んでもらうのも大変で、本作はこれが上手い。
新しい人物と情報をバンバン出してその関係性を繋げられても全然入ってこないもんね。
これまでに小出しにされてる既存情報を最大限活用するの、勉強になるなー

第90話「最後の一押し」まで

シルフィとの最初の夜のシーン、普通に良い感じの雰囲気があって良かった。
最初は女性絡みのシーンがキツい作品だと思ってたんだけど、今回ちょっとドキドキして読んじゃったよ。
あと主人公の病が治って、最初はギスギスしてた特別生みんなで祝福するところも何か温かかった。いい関係だ。

第91話「後ろ盾」

ええぇぇ、結婚するの!?
なろう作品の主人公って一人には絞らず多数の女性を囲んでハーレム作るんじゃないの!?
最終回ならともかく、まだ全体の半分も行ってないのに結婚した……メチャクチャびっくりした。

え、なにこれドラクエ5?
もしかして子供産まれたりする?
人生全部描くつもり?

これはちょっと、無職転生。
また見方を改め直した方がいいかもしれんな。
本作読んでなろう系の偏見が解消できたと思ってたんだけど、この作品、もしかしてなろう界隈の中でも異質だったりしない?
あまりにも偏見イメージとの乖離があるぞ。
そしてますます、作品としてのゴールが読めない。

第10章 青少年期 新婚編

第93話「結婚の前に用意するモノ 後編」まで

学校編が始まるまでは想像もしなかったクリフ・ザノバによる呪いの館(新居)探索だ!
第一印象としてザノバは狂気の怖さがあったしクリフもいけ好かなかったんだけど、学校編で好感度が爆上がりしてるので、3人で協力して事に当たってるのを見てるだけでニヤニヤと面白いぞ。

第97話「披露宴・終了」まで

本章、新婚編は主人公に感情移入して一緒にワクワクして読むのが大切だな!
新居探し・リフォーム・新婚生活・披露宴と、結婚生活の幸せや期待感がちゃんと描写されてて心地良いぞ。
これ読むと独身だと結婚したくなるし、既婚だとパートナーを大事にしたくなるね。

第98話「家のある生活」

10章終了。
毛色の違う面白さだったけど、私が無職ヒキニートなら血涙を流していた章だった。
人形王子ザノバがこのタイミングで自動人形に情熱を注げるように配置したのは上手いと思う。
多分もうすぐ何かが起きるはず。嵐の前の静けさがあるので。
その時にザノバにはある程度独立しててもらわないとね。

第11章 青少年期 妹編

第101話「文殊の知恵」まで

転移者ナナホシが絶望する研究の行き詰まりに、みんなで知恵を出して解決、お祝いにバカ騒ぎする回。
教育もそうだけど「人間関係によって状況は突破できる」という本作のテーマが大爆発した良い話だったな。
優秀な魔術師が揃う中、解決の取っ掛かりを人形バカのザノバが切り出すというのも良かったぞー。

そしてルイジェルドさん登場。
「結婚したと聞いていたがエリスではないのだな」
アッ、ハイ……

さて、エリスに振られたと勘違いした問題。
これどうするんだろう。
この作品への信頼度は上がってるんだけど、泥沼な状況しか予想できないぞ。
ハッ……泥沼?主人公の二つ名が泥沼ってそういう……

第103話「姉妹の処遇」まで

年の離れた妹、優秀なアイシャと平凡なノルンと一緒に暮らす事になって教育に悩む、まさかの子育て編開幕だ!
平等に接すべき?能力に合わせて対応を変えるべき?
子育てに正解はないので悩ましいが、本作の教育論は信用できるから安心。
それぞれの妹にどの人間関係がどう作用していくのか注目だね。

しかしまぁ通しで考えると、本作の見所は章によって変わっている。
主人公の成長、お嬢様の教育、冒険、戦闘、学園、新婚ときて次は子育てか。
子育て編開幕にあたって「何か違う方向に行ってるなぁ」と残念な気持ちがなく、むしろ楽しみに思えるのはすごい。
まさかなろう小説で子育てを読むとは!

第106話「兄貴の気持ち」まで

寮生活を始めた平凡な妹ノルンが引きこもってしまい、これを何とか解決しようとする話。
これは……大事な話だ。
いつも以上に力を入れて、丁寧に書かれてる事が分かる。
元引きこもりの主人公が何とかしようと一瞬暴走するのがリアル。
過去の自分の経験を思い出しながら、それでも解決方法が見えずに頑張る。みんなも協力する。頑張れ……!

第107話「ノルン・グレイラット」

うわ、こういう解決方法か!誠実だなぁ!
確かに色んな恐怖や焦りや劣等感が渦巻いて動けない人に、何を言うのも効果はない。
でも傍にいてくれる味方が、居場所があると安心できると。
そして傍にいようとしてくれる人に気付いて、拒否せずに受け入れましょうという事か。
あくまでも当人主導っていう事だ。

私はてっきり主人公が過去の経験から良いアンサーを出してくれるとばかり思ってた。
でもやっぱり分かりやすい答えなんかなくて、周囲はただ傍にいることで味方だということを示す事ぐらいしか出来ない。
今回は偶然ノルンがそれに気付けて、当時の主人公は気付けなかった。
あくまで本人次第で、周囲が出来るのは、それに気付く機会を増やす事ぐらいですね。

これもあくまでノルンのケースがそうなだけで、安易な言葉で解決にいかなかった作者さんの誠実さが伝わりましたよ。

結局、本人が心で気付くしかないんだよ、と。
でもそれを明言するのも、突き放した感じになるよね。
この描写の方法は正しい。と思う。そう、正解はないのだ。

第109話「ターニングポイント3」

11章終了。今まで何だかんだ言うこと聞いて上手くいってた人神の助言を、初めて無視する展開だ……
母親ゼニスの救出困難とは一体何でなんだろう。
転移からもう6年ぐらい経ってるよね。
しかも行ったら後悔する、だもんなぁ。
しばらく安心と幸せが続いてただけに、嫌な予感が過剰積載だ。先が気になるぞー

第12章 青少年期 ベガリット大陸編

第104話「砂漠の旅」

久しぶりの冒険話。何十話ぶりだろ。
今回は転移を使ったけど、それでも本作は旅は時間がかかって危険で大変という描写をしっかりするよね。
道中でモンスターの生態とか気候の話も軽く入れてくれるのでリアリティのある冒険感が出て良いぞー。

第117話「到着」まで

12章終了。
父親と再会して次は迷宮攻略だ。
これまでの経緯(学校・新婚編)を父親に説明する時になるべく客観的に淡々と伝えたのは、父親が迷宮に苦労してる事への配慮と、前回のケンカの反省か。
主人公、前世の後悔や反省を活かすぐらいだから当然だけど、細かい配慮が行き届いているシーンだ。

今まで旅や冒険はあったけど、次章から始まる迷宮探索は初めてなので、新鮮な読み味が体験できそうでとても楽しみ。

しかも転移迷宮ときたもんだ。RPGでワープ多いダンジョンって面倒くさいし分かり辛いんだよね……。
ここらへんをどういう風に描写してくれるか、期待がもてるぞ。

あと、元家庭教師のロキシーも迷宮内で失踪したみたいで、またしても主人公とニアミス。
本作、明らかにロキシーとの再会をもったいぶっているのは何なんだろう。
いや、主人公が5歳から崇拝している重要人物ではあるんだけど、そんなにもったいぶる必要は……。
何か劇的な再会が用意されてるのかな?

第13章 青少年期 迷宮編

第119話「迷宮入り」まで

父親の仲間だった万能盗賊のギースさん、年上だし父親との仲直りでは世話になったのに、最初の出会いから未だに主人公を先輩と呼んで立ててくれるの好き。
非戦闘員だけど、迷宮探索でキーマンだったり義に厚かったりと好感度が高いぞ!
本作が戦闘以外の色々を丁寧に描写してるからこそだ。

第120話「あの時の彼女の気持ち」

恩師ロキシーの危機に圧倒的な強さを見せながら駆けつける主人公!
ロキシー視点での演出だったので普通に格好良いぞ!
なるほど、再会を焦らしただけあるぜ。
と思ったら、狂信しているロキシーに「初めまして」と言われたショックで吐く主人公。
えぇ……

第121話「不屈の魔法使い」

主人公の使った普通の魔術を最上位のものと見間違うロキシーに対して「みんながいる時に否定すると恥をかかせるので、今は肯定して後で訂正しておこう」とかお前……人格者過ぎるだろ……ッ!
なろう主人公って隙あればイキってくるんじゃないの!?(根強い偏見)

主人公は過去の反省を踏まえてるので、本当にイキらない。一貫して謙虚だ。
「今のはメラゾーマではない。メラだ。」と即刻否定してくる大魔王バーンの方が余程イキってる。
でも謙虚も過ぎると良くないよねって描写、まだ問題として表面化してないけど、ちょくちょく入ってるよね。

第122話「トントン拍子」

サブタイ「トントン拍子」って嫌な予感が……
主人公が持ってきた転移迷宮の本がズバリ大活躍。
ご都合主義と取る人もいるだろうけど、本を持ってきた理由は明確に説明されてるし(そこらへんが丁寧)、この先に苦難が待ってるだろうから、私としては”テンポアップのためのギミック”だと前向きに解釈できる。

人によって許容範囲が分かれる「ご都合主義」だけど、私は「読んでて冷めるかどうか」で判断する事が多いです。
ロキシー加入でパーティも勢い付いてたし、あくまでも本を軸にした攻略は迷宮中盤のショートカットとして活用されているので、中盤の展開をダレず読めるよう「本のおかげで道中が快適」ぐらいは私の中ではOK。

第125話「死闘」まで

うわ左手マジかって思ったらあああぁぁぁ!パウロォォォ!
冷静に感想書いてる場合じゃないので続きをすぐ読みます。

第129話「帰還」まで

読み進める手が止まらないので、とりあえず一旦「整理がつかない」という事を整理。
物語に感情移入しない派の私なんですが、何故かショックを受けてて、フワフワした気持ちで読んでる。
しまった、面白いからって入れ込み過ぎた……。

端的に言うと

・パウロとゼニスの”結果”について
・主人公の立ち直り方
・ロキシーとの関係と結婚について

ここらへんについて、私は本作で初めて「現時点では納得していない」です。
現時点なので、細かく語るのはもう少し読み進めてからにしよう。
作品としてはアリでも、個人として合う合わないは別。
さてどうなるか。納得させてくれるのか……

第132話「墓標の前で」まで

13章終わり。現時点での見解。

父親パウロの死と母親ゼニスの心神喪失

最初は必要性が理解できなかったけど、ここまで読んで、主人公の成長と自立という観点ではアリだったかなと思った。
前世について反省や後悔を重ねてきた主人公だけど、親の死については目を逸らしたまま来ていたと思う。
今回で前世の自分と両親の死について見つめ直す事が出来て、より前世を乗り越える事ができたんじゃないかな。

だからコレに関しては納得です。

主人公の立ち直り方

これに関しては判断保留。
というのも、「”ロキシーとの結婚に繋げる為には”必要な過程」であるからです。
もし本作を最後まで読んで「ロキシーの結婚が物語としてアリだった」と私が(あくまで私個人が)感じた場合、逆説的に「”物語的の為には”必要な過程」になります。

ただ「男はヤレば元気になる」という事が当然の共通認識として語られていて、この認識について感覚的に拒否感がある人が確実に一定数存在するとは思う。
本作はこうした思想が出てくるケースが今まで無かった為、突然の事で戸惑う人も多かったんじゃないかなぁ。
かなり誠実で丁寧な作風だった今作において、何かこれだけ乱暴な論理なんですよね。

ロキシーとの重婚

私の中では“現状ナシ”です。理由は大きく下記2点。

1.主人公の誠実さに好感を持てていたから
2.新婚編を感情移入して楽しんで読んだから

特に1については私の中で高評価だったんですよ。
何だかんだエロい事はいいつつも決定的な所は誠実な彼が好きで、今までの私の評価軸の一つになっていた。
それに反した結果になった以上、私が評価していた箇所が後付けで毀損されている事になるので、マイナス評価にせざるを得ない。

もちろんコレは作品としての”有り無し”ではなく、私個人として”合う合わない”の話です。
私個人と比べて、1.誠実さをあまり評価軸でなかったり、2.新婚編が楽しめなかった読者(〇×ではなく程度の話ね)だったら、今回の話は”合う”かもしれません。
むしろ誠実な主人公にヤキモキしていた場合、「ハーレム展開キタコレ!」って喜ぶ人もいるかも?

ただ私個人がハーレム苦手かっていうと、それは違う。
あくまでも「面白さとして評価していた箇所が後から減損した事によるガッカリ感」が理由です。

これまで「人間関係」について様々な角度でアプローチをしていた本作、転移した家族を探すあたりから「家族」をテーマに少しずつメスが入っているのは感じていました。
この調子だと次章以降でより強く家族というテーマ描かれるはずで、作品テーマとして「家族」の比重がよりアップしていく事は想像に難くないです。

読者が日本人を想定している場合、「家族」をテーマに創作をする上で一夫多妻制を選択するのが果たして良策になり得るのか、という疑問がある。
しかも同時に二人と結婚するならまだしも、一人目の妊娠中に浮気をして結婚となると、テーマがブレるとしか思えないんですよね。
しかもエリスがいる事で3人目の可能性も示唆されている。
先行き不安が大きいですね……。

一方、19話で切り上げるつもりだった私を132話まで読ませてくれた作者さんへの信頼はある。
だから「失敗したな」ではなく「ここからどうするつもりなんだろう」という気持ちが強いです。
本展開の結果を見極める為には、最終回まで読まないと判断できないなー。
無職転生は私の中で有りか無しか。
テーマは何だったのか。ブレていないのか。
物語を最後まで見届けてから、自分の中で判断しよう。

※ここらへんから、何か意地でも最終話まで読み切ろうという雰囲気になってきました。
次回に続く。

フジカワ ユカ (著), 理不尽な孫の手 (その他), シロタカ (その他) KADOKAWA (2014/11/23)
理不尽な孫の手 (著), シロタカ (イラスト) KADOKAWA (2014/4/24)

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