ジャンプ2020年16号に掲載されたアンデッドアンラック9話、面白かったというか衝撃的でしたね。
「過不足ない考察材料の提示加減」も絶妙でしたし、その気になれば考察材料が無限にありました。
- UMAバーンはアンバーンを捕獲して当てる等、攻略順が妄想できる。
- 各ルールを司るUMAと、それに対応する否定者が存在する可能性。
- UMAコールとは?スポイルとは?
UMAの名前からどのような能力があるか想像するだけで楽しい。 - 古代遺産の存在について。
- 理(ルール)の追加がされていない、原初の世界とはどういうものか。
- 過去98回の理(ルール)追加について。3ヵ月に1度と考えると少なくない?
- UMAの捕獲と討伐の違い。なぜランゲージだけ討伐なのか。
今回はこれら考察材料の中で最後の2つ、「理(ルール)の追加が98回しか行われていない事について」「”討伐”と”捕獲”の違いについて」について、私個人の考察を公開してみます。
理(ルール)の追加が98回しか行われていない事について
3ヵ月に1度クエストが発生するという事は、毎回失敗すると24年と6ヵ月、成功率75%でも98年しかありません。
シンプルに考えると『アンデラ世界の歴史は非常に浅い説』が思い浮かびますが、私はここで『罰(ペナルティ)は理(ルール)の追加だけではない説』を推します。
今回提示された罰である「UMA銀河の追加」も、言葉のまま「UMAの追加のみで理の追加ではない」と考えています。
この説に至った理由は3点あります。
1.文明の進み具合と年月の経過描写
これはどちらかというと『アンデラ世界の歴史がまだ浅い説』の反証材料ですね。
電車・クルーザー・飛行機など現実世界と同等クラスまで文明が発達している事が理由です。
また、年月経過描写。
1話冒頭で風子が読んでいた漫画も101巻で出ていますし、同じく1話でアンディが100年分の記憶を持っているという説明もあります。
いずれの要素も『アンデラ世界の歴史が非常に浅い』と考えると説明が難しい要素です。
『理(ルール)の追加で”文明”や”歴史”が追加された』という仮説を立てれば説明は可能になりますが、あくまで理の追加はクエスト未達成の罰(ペナルティ)というのが作中描写です。
現在挙げられている性別・言語・人種・死・病気の追加はいずれも罰と呼べるものであり、“文明”や”歴史”と並べるには概念としての性質が異なると思います。
2.ジーナやボスのセリフ
まずは一つ目。
ジーナの「きっといつかまたルールが増えて 世界は大きく変わってしまう」です。
微妙な言い回しですが、”きっとまたいつか”という言い方は「近い未来」ではありますが、直近ですぐに起こる事柄を指す表現ではありません。
そして二つ目は今回のボスの説明。

理(ルール)と罰(ペナルティ)を切り分けて発言しているという点に注目しています。
98回はあくまで「理を足された回数」であり、「罰を受けた回数」とは言っていません。
また逆に「挑まずとも罰は増える」とも述べています。
直近のセリフで敢えて言い方を分けており、つまり理≠罰である事が推測されます。
3.今回の「UMA銀河の追加という」罰(ペナルティ)に対しての重要度の低さ
先述したジーナの発言の通り、理の追加は世界を大きく変えてしまうというのが作中認識です。
にも関わらず、今回はボスの一存で罰をすんなり受け入れており、ここに誰も異論を挟んでいません。

戦力増強が罰よりも当然のように優先されている事から、今回の罰は重要度が低いという事が分かります。
つまり、『今回の罰は単なるUMAの追加であり、理の追加ではないので重要度が低い』と考える事が出来るのではないでしょうか。
『理を追加されているのに麻痺し、慣れてしまっている』と取る事も出来ますが、「創造主を殺す」とまで明言している組織に諦観が蔓延しているとは考え辛いです。
このように
- 文明の発展と年月の経過描写
- ジーナやボスのセリフ
- 今回の罰に対しての重要度の低さ
から、『罰(ペナルティ)は理(ルール)の追加だけではない説』を推します。
では次の考察、”捕獲”と”討伐”の違いについてです。
「”捕獲”と”討伐”の違いについて」
結論としては、『”捕獲”は既存概念のUMA。”討伐”は追加概念のUMAは』だと思っています。
先に分かりやすい”討伐”について話を固めていきます。
討伐=追加概念の撤廃である
仮説の根拠になるのは、勿論、「UMAランゲージ」と追加理(ルール)「言語」の存在です。
作中で「UMAの存在」「追加概念である」事の両方が明言されているのは言語(ランゲージ)だけなんですよね。
そして、「唯一”討伐”が指示されており、報酬がそれとリンクする世界統一言語」になっています。
『UMAを討伐する事で、それとリンクした追加理(ルール)の撤廃ができる』は確定で良いと思います。
ただ確定対象となるのはあくまで「”討伐”指示」「クリア報酬が討伐対象とリンクしている」条件を満たす言語(ランゲージ)のみであり、その他のUMAはどちらの条件を満たしていないため別枠で考える必要があると思っています。
では、その他のUMAはランゲージと何が異なっているのか。
私がその判断軸として考えるのが、「罰(ペナルティ)として成立するかどうか」です。
その他のUMAと、ランゲージとの違い
今回名前が出たUMAはバーン(燃焼?)、イート(食事?)、ランゲージ(言語)、パスト(時間?歴史?)、コール(不明)、スポイル(不明)です。
そして追加理(ルール)で挙げられたのは、性別・言語・人種・死・病気。
追加理はいずれも「物理法則ではなく」、「追加される事が罰として成り立つ」ものです。
こう並べると、討伐指示であるUMAランゲージ以外の、捕獲を命じられたUMAはどうでしょうか。
そのUMAに対応するルールの視点から考えてみます。
例えばUMAバーン。
燃焼(≒酸化反応)の追加って本当に罰になり得ますかね?
作中でも頻繁に登場している電車や航空機などの動力文明は燃焼をベースにしています。
現実世界においても、燃焼が人類の発展に寄与している事は言うまでもないと思います。
そう考えると、バーン(燃焼)は罰として追加されたものではなく、既存の理なのでは?と考えています。
あとはUMAイート。(パスト、コール、スポイルはどういう概念か曖昧なので割愛)
食事は楽しみではありますが、「食事をしなくては活動できない」は罰として十分機能しますね。
名言されている追加理の中では「性別」が近い。
ただ一方 食事はエネルギー摂取手段でもあるので、物理法則を大きく変えるんですよね。
ここが性別とは異なる所です。(少し根拠として弱い自覚はありますが)
以上の事から、『”捕獲”は既存概念のUMA。”討伐”は追加概念のUMAは』 だという説を挙げてみます。
というか、この説でいくと捕獲対象のUMAに関しては概念である必要ないんですよね。
コール、スポイルが概念として考え辛いので、単なる能力を持ったモンスターなのかもしれない。
まとめ
あくまでこれは9話時点の考察で、この漫画の密度を考えると次の10話で全部考察がひっくり返されているかもしれませんね。
「だから無駄だった」ではなくて、こうして色々考察して楽しめているという事を、記録として残しておきたいと思いました。
割と感覚的な考察も含まれているので、読まれた方は「違うな!俺はこう思うぜ!」と言いたくなるかもしれませんし、それもまた良し。
後から「全然違うじゃねぇか!」って笑うのも楽しいんですよねー。
久しぶりに考察のしがいがある漫画がジャンプで出てきたので、あの手この手で楽しもうと思います。
連載続くと良いなぁ。
★表紙画像はまだですけど予約は始まってます。
Twitterで募集かけてた単行本おまけ、何になるんでしょうね。
