巻頭カラーは新連載の破壊神マグちゃん。
そしてついに魔女の守人の最終回です。

あ、今週は配送の都合?で土曜日にもジャンプ発売ですよ。
という事で滑り込みで更新。

く今回は時間の都合などで、感想を書いてない作品もあり。


破壊神マグちゃん

混沌教団「ふんぐるい……」って、マグちゃん旧支配者じゃん!
クトゥルフ神話。
TRPG好きしか知らないニッチ創作神話でしたが、古くはデモンベイン(調べたら2003年で狂う)、最近だとFGOにも取り上げられて段階的に認知度を上げていました。
そしてついに週刊少年ジャンプにまで進出だ!
と言いながら、あんまりその方向での深掘りはなさそうですかね?

内容ですが……何だこれ、かなり良いぞ!
明らかにヤバいマグちゃんと同居する事についても、自身の境遇から「マグちゃんの孤独に共感したから」という納得感のある説明。
そしてこの説明が極めて最小限の描写で済まされてるんですよね。
新人さんでなくても、普通ここらへんはもっとクドく説明して、話が暗くなってしまいがち。
でも1話からそんな家庭事情を前面に出して暗い雰囲気は出したくないし、ベストなバランスだと思う。

ていうか絵……上手くない?
マグちゃんのちょっと不気味だけど可愛い感じの描き方とか、台風を吹き飛ばすマグちゃん変形からの迫力とか、場面毎に必要な絵が絶妙に描けてると思う。

掃除機に吸い込まれるコマとか、最後の吊るされてるコマも、抜群に愛らしい。
既にストラップとかキーホルダーで欲しいぐらいだもんな。
LINEスタンプにしても可愛い。

「へぇー、台風(熱帯低気圧)って雲吹き飛ばすと消えるんだ」とか言うのは野暮だぞ!

連載としてどうなるかはまだ何とも言えませんが、とりあえず1話としては期待以上の滑り出し。
事前に想定していたハードルを何回も乗り越えられた感じですね。
これから他の旧支配者系マスコットキャラが出てきてもいいし、幼馴染とのカンケイを深めてもいい。
ミタマとは違った癒し系漫画でいけるかも?

ハイキュー!!

うわ今回クッソ面白ェ……。何だこれ。

ウシワカの「お前を叩き潰したい」というクソデカ感情シーンからの、メチャクチャ静かで丁寧なレシーブ。
烏野チームメイトの”分かってる”賞賛から、武田先生の「今この瞬間もバレーボールだ」という言葉と共に描かれる、敗戦からの積み重ね。
最後にタブタイトルの「遠きに行くには必ず邇きよりす」を挿入。
漫画としての演出力があまりにも高過ぎる。

サブタイトルの言葉は「目標を達成するためには、手近な事から順番でやっていこう」という意味。
果て無き積み重ねの言葉ですね。

今回、単純にシーンの見せ方と並べ方も上手いんだけど、適宜挟まれるバックボーンというか、ここまで読者が見てきた展開やセリフなどもバシバシ活用してからのサブタイトル挿入なので、破壊力がデカ過ぎる。

最近のハイキューは、数年かけて伏線と描写を重ねないと出来ない展開がずっと続いている。
正に誰にも真似できない事が行われてるっって感じで、もはや読んでいて自分が歴史の証人になっている感すらある。

そして今回のクローズアップはレシーブですが、最後のコマですぐに動き出してるんですよね。
これちょっと次回も楽しみですね。

あやかしトライアングル

読み終わった感想は「面白い」ではなく、「強い(確信)」でした。
ゆらぎ荘が開拓し、連載終了した事でポッカリ空いた「お色気バトルコメディ枠」に早くも収まる勢い。
結果的に、現在ジャンプ内で極めて競合が少ない所で戦ってるんですよねー。
やっぱり実績のあるベテラン作家さんはモノが違います。

  • 冒頭のフンドシ一丁やフトモモこすりなど、ToLoveるの経験を完全にモノにしたサービスシーン。
  • お友達キャラ二人の見た目とキャラの活きっぷり。
  • しっかりパンチラしつつカット割り連発で読みやすい戦闘シーン。

とにかく画面の力=読ませる力が強いので、連載継続は心配なさそう?

私個人の感想としては……まぁ、相変わらずの苦手ジャンルなので普通です。
ただとにかく絵がキレイなので、見てるだけで楽しめてますね。
あとヒロインのすず視点で祭里にベクトルがいってるのは特徴かな、と。
単純なヒロインレース展開にはならなそうですね。
あ、祭里に色んな女の子が迫っていく展開はあり得るか。

Dr.STONE

先週「スパイvsスパイ!」とアオってたけど、やっぱり千空はそういう回りくどいのはやらないよね……。
アイスクリーム、スナイパーライフルまで作っているゼノの傘下にあるルーナが感動してるあたり、ゼノはこういう余興の科学はやらないっぽいですね。
性格が出ている。

最後にドデカイ情報更新!
まさかの千空の師匠という事で、イマイチ物足らなかったゼノの株を爆上げしてきましたね。
しかもNASAの科学者という事は一線での活躍経験もあるわけで、さすがに学生では相手が悪い……。
読者興味をガッツリ引き付けて次回に続く。
稲垣先生は本当に上手い。

ボーンコレクション

うん、独特で面白いですね。
この漫画、ジャンルを「お色気バトルコメディ」だと勘違いした事もあったんですが、全然別物ですねこりゃ。
矢吹先生の新連載がきたけど、全く競合しないと思う。

子供達の「泣いたぞ たたみかけろ」のセンスとか、最後にドッヂボールをする意味の分からなさ(でも楽しそう)とか、すげーユルい。
あと地味にメリハリもきいてて、秋冬の「殺す 一択となります」関連シーンとか緊迫感あったよね。

黒幕らしい大天狗の登場や、秋冬との特殊任務とか、当面の縦軸も定まったみたいで安心して読めますね。

しかし現状一番の注目はりのちゃんの不遇さですよ……。
今回もほぼ活躍してないと言ってもいいし、次回の特殊任務からハブられても全然違和感ないんだよな。
8話にしてもはや「作中での不遇さが面白い」以外の期待値がないの、ひど過ぎない?

トビラ絵の扱いもひどかったですよね。

ボーンコレクション8話扉絵

白羅が「腕組みをしながらアザミをひっぱっていく」
秋冬が「抱き付くという愛情表現をしながら首を絞める」
とそれぞれキャラに沿った方法でカザミに絡んでるのに、りのちゃんだけ「無表情棒立ち」ですからね。
なんなのこれ……

呪術廻戦

あまりにも濃厚過ぎる1話。
漏瑚はそりゃ、強いとは思ってましたが、まさかここまでとは……。

五条悟に返り討ちされてから、割と愛嬌のあるシーンが多い事で、読者としても変な愛着が湧きはじめていた漏瑚。
本来ピンチであるはずの漏瑚無双で、何か嬉しくなった読者もいるのでは?
私はなった。

直毘人さんの術式、強いのは強いけど超難しいな。
常人が使いこなせるとは思えない。
でも「触れた者も1/24で動きを作らないとフリーズする」ってかなりご無体ですよね。
説明無しで出来るんでしょ?
ほぼ強制フリーズじゃないか。
そして相変わらず「最速の術師(五条悟を除く)」で笑う。
本当に別格扱いですね。
徹底している……!

最後衝撃的だったのが、宿儺の指食べ放題!
いやぁ、ここで一気に話を動かしてきましたね!

1話にこれだけ詰め込むの、やっぱり芥見先生はスゴイ。
一時的でも、次週は宿儺が出てきそう。
それと対峙するのは……普通に考えたら伏黒パパでしょ?
これはワクワクしてきましたね。

タイムパラドクスゴーストライター

本編手前の記事ページがツッコミ所満載(冗談みたいに前向きな纏め方をしてる)だけど、貴重な公式見解(であると見なした場合)として注目すべきは、「代筆して、この世に作品を遺すという使命を背負う事に!」(1~2話要約の箇所)ですね。

つまり佐々木君がホワイトナイトを描く事自体は既に使命として肯定されていて、今後もそれは揺らがないという可能性が極めて高い。

今週最後の展開からまだ色々な展開が予想されるんですが、少なくとも「佐々木君がホワイトナイトを描いていく事」は作中認識では「盗作ではなく代筆」扱いである、と。
つまり当面は藍野さんにバトンタッチする事も、佐々木君が描く事を中断する事もないでしょう。
やや抵抗感はありますが、盗作の是非を論じるのはムダと判断した方が良さそう。

ただし、この(個人的には)残念な公式見解により、物語の方向性は少し絞られそうです。
記事ページから推測するに、本作の方向性・焦点として一躍可能性が高いのは、「佐々木君はどのようにホワイトナイトの”代筆”を続けていくのか」になりそうなんですよね。

ただまぁそうなると……根源的な話には戻ってくるんですが、漫画として面白くない。

無口眼鏡の五十嵐君のシーン(因果関係なく単体で見ると、ここは良かった)で代筆を肯定され、藍野さんのシーンで罪悪感に苦しむ。
でも公式見解の通り”代筆”が使命として肯定されてるなら、ココは葛藤の描写ではなくなります。
結論が決まっているのにいつまでもウダウダしてるだけの描写になるんですよね。

もう書く事が確定して1年近くも連載を続けているのに、「俺はカップラーメンでいい」とか「肉を食う資格がない」とか、葛藤してると思うから受け入れられた描写も、そうなるとちょっとキツくなってくる。
「佐々木君はどのようにホワイトナイトの”代筆”を続けていくのか」という漫画だと捉えると、面白いと感じられるシーンが殆ど無いんですよね……。

でもこの予測はあくまで「記事ページが公式見解だったら」という過程での話

これだけ語っておいて何だけど、あくまで客観的に最も可能性が高いってだけの話なんです。
個人的には「記事ページがガバだった」説に期待してますよ。
だってそうでないと、本作が面白くなっていく芽が殆ど無いですからねー。

私はまだSF展開に期待してて、今回ラストのジャンプが届かない描写から、「何故未来のジャンプが送られるようになったのか」、そして「何故それが送られて来なくなったのか」という未来を巻き込んだ物語に発展してくれたら、個人的に最高ですね。

アンデッドアンラック

今週の扉絵、いつもと違う雰囲気のホワイト背景に『いつかまた会う日まで!!』とか書いてあるから、一瞬打ち切りが頭をかすめて心臓が止まりかけたぞ。
よく読んでみると気になっていたロンギングの子供達の行方についての説明だったので、二重の意味で良かったです。
マジで良かった。

さて、この漫画初かもしれない繋ぎ回。
アンディと風子、かなり良い雰囲気になってきましたね。

「飛行機大丈夫か?」と風子を気遣うアンディ。
飛行機は両親の死因だから、トラウマに配慮してるのか。え、もしかしてロンギングに行く時にヘリじゃなくてトラック移動にしたのってそういう配慮?
やだ……素敵(多分考え過ぎ)

それは置いといても、隕石群だって一度食らって死んでないんだから、単に「死ぬ目的」でなら同じ隕石群をもう一度食らう必要はないと思うんですがねぇ(ニヤニヤ

さて、ちょっとドライな言い方ですが、「風子がアンディを好きになる事」が物語の縦軸として正式な目標になりましたね。
二人の仲が深まる事で、そのまま風子の不運パワーアップに直結する構図は素晴らしい発明。

問題はラブコメパートがファン層にどこまで受け入れられるかですねー。
この漫画、割と玄人向けというか、自分含めてハード系の漫画ファンが多い印象があるので、イチャイチャ要素の舵取りは難しそう。
アンディのイケメンっぷりでグイグイ引っ張っていく方式が一番しっくりくるかな?
相変わらず苦手分野なのでコメントも難しいですが、イケメンアンディを見るのは結構好きよ。

さて、次週から黒競売スタート。
タチアナの「胸クソ悪いシーンばっかだと思うけど」「おとなしくしてんのよ!」って普通なら分かりやすい前振りなんですが……この漫画に関しては先の展開を読めた事が一度として無いので、もう分からんですね。

ぼくたちは勉強ができない

おー、センターカラー美しいですね。
お胸周辺の肉付きや、ヘソまで分かるピッチリとしたチャイナスーツ。
腰まで入ったスリットに、黒の紐パン。
これはイケますね。(イケるとか言うな)

しかし文乃編、他の二人のルートと比べて苦しい心情描写が続きますね。
周りぐらい鈍感な中で、文乃ぐらい察しが良いとライバルを圧倒的に出し抜く事もできるんですけどね。
そんな事する人はラブコメのヒロインにはならないワケで……
こうなってしまうと文乃単独ではもはや身動きが取れないですね。
そろそろ第三者が状況を打破させてあげて。

ところで成幸と文乃は、何故出発地(学校)と目的地(古橋家)が同じなのに、別々に出てるんでしょうね。
家に押し掛けるほど怪我を気遣うなら、登下校の付き添いこそが必須では?
私のラブコメに関するガバ読者度は日本有数だと思うんですが、この作品は最近ちゃんと読んでるからガバ度が落ちてきてるんですよね。困る。

森林王者モリキング

「王の一日」がクッソ面白かった。
日中は土の中に入って、夜は木にしがみついてるという、カブトムシの習性に則った絵面がヤバ過ぎる。
人型で昆虫の特徴出すだけでこんなに面白いかー。

でもこれ、ただの「カブトムシの一日」だからね。
王は関係ないよ。
カブトムシはみんなこうだよ。

光君の特徴を活かした活躍も良かったです。
ゴキブリの嫌な所って、見た目・不潔さ・繁殖力ですが、光君は見た目と不潔さは問題ないですもんね。
ゴキブリの繁殖力の脅威性は、性欲ではなく産卵個数と卵の耐久力なので、メスではなくショタっ子の光君は無害ですよ。
多分ここらへん、長谷川先生は意図的に嫌な要素を徹底排除してるんだろうなと思いますけど。

さて、残りの王候補がどんな虫なのか公開されましたね。
クワガタは正統派ライバルで、蝶は普通に考えると女の子?

蜂は社会性昆虫としての側面か、高軌道・高攻撃力の側面かどっちなんだろう。
バランス的には社会昆虫として、組織できた方が他と差別化できて面白いかな?

マッシュル

まさかの瞬殺!よくやった!
サメの人の強さはもう、見るからに明らかだったんですよ。
どこでも水中に沈められて、しかも相手は息ができないワケですからメチャクチャ強い。
でもテンポ的にはサッと片付けて欲しくて、読みやすさ重視でそうしてくれたのは素晴らしいと思う。

そして本命の敵登場。
いやー相変わらずメリハリで魅せてくれますね!
一目見て分かる強敵感だ。

能力的には「魔法無効化と身体能力」という感じの描写なんですが、「私と同じ類の」ってセリフが気になる。
もしかしてマッシュって「ただ魔法が使えなくて身体能力高い」んじゃなくて、何か秘密がある?

ミタマセキュ霊ティ

あーダメだめっちゃ面白い。
鳩胸先生の得意技の一つ「急に冷静になる事でドン引き」展開が今週まで継続するとは。最高だ。

「あの格好で打ち解けられるのはコミュ力が高過ぎる」という指摘が仰る通り過ぎて、もうダメでした。
あと何で最後飛んでいったの?
全然分からない。
何でこんな話描けるんだろう……。

チェンソーマン

天使「マキマの事なんで好きになったの?」
早川先輩「なんでって…………なんでだっけ……?

大半の読者『”存在しない記憶”きたァーッ!』

ジャンプ読者は最近この恐ろしさをよく知ってるので、必要以上にこういう展開に反応しちゃうし、すげぇゾクゾク来ちゃったよね……

今回の早川先輩の思い、私なんかはかなり心に響いたんですよね。
だって寿命ほぼ残ってないんですよ?
でもデンジとパワーのために、感極まって涙を流しながら「どんな契約でもします」って……早川先輩の想いがあまりにも美しい。
ここで弟を死なせた後悔の話を出したのだって、つまり本当にデンジ達を家族だと思ってるんですよ。

そしてそんな早川先輩の美しい思いを一切無視したマキマさんの行動+天使の記憶公開。
お、鬼過ぎる……

前にマキマさんは天使について「自分の住んでた村の人を全員殺した奴だから信用しない方がいい」と言ってたよね?
マキマさんが天使に強制的に村人を殺させたとか、「お前の血は何色だ」にも程があるぞマキマさん……

ブラッククローバー

案の定、封印が効かなかったメギキュラ。

それはまぁ良いとして、「強いので封印が効きません」だったらどうしようと心配してたんですが、「事前に対応策が間に合いました」だったのでセーフ。
いや、この違いは大きいですよ。
ちゃんと発動すれば封緘魔法は効くって事ですからね。
ギリギリ納得できる回避方法です。

ノエル「まだよ」
おぉ、いつもアスタがやってる「まだだ」を彷彿とさせる諦めない心だ!
表情もかなり格好良いですね。
実力的には上であろう、ハート女王の心が折れている中で、ノエルの精神的成長が伺えるシーンでした。
これで倒せるとは思わんけど、何らか状況の突破口になって欲しいなぁ……

アクタージュ

うっひょー、環さんアオるアオる!

「長く業界に君臨してる年上のベテラン女優」という極大アドバンテージを大活用だ。
本当に言葉通りドラマの成功を第一に考えて「敵同士じゃない」って思ってるなら、前回も今回もこんな話の仕方はしませんからね。
夜凪、すげぇ意識されてんなー。

そして1話だけ登場の子供役で皐月ちゃんが登場。
む、無駄がねぇー!
CM編からの接続を絶妙に活かしてきますね。

ここで新キャラ二人登場させると環さんのインパクトが弱まるので、先にCM編の時に皐月ちゃんを単体で新キャラとして出したワケか。
考えてみりゃCM編だけだと皐月ちゃん、意味薄かったですもんね。
可愛くて気にならなかったけど。

魔女の守人

先週、「これ修道士に魔法バレしたけど、どうするつもりなんだ」と心配してたんですけど、ひとしきり会話を済ませた後で普通に送り出してるの、メチャクチャ面白かったですね……。

すぐに逃げたんならまだしも、正体を明かした上に普通に送り出してますからね。
修道士さん、気絶した後に起こしたんだろうけど、何をどうやって説明したら許してくれたんだろう。

そして5年後。
「魔子を封印する事で魔女が死ななくなる」事を人々に宣言するマナスファ。
あれ、でも魔女は作る過程で「3,000人を集めて一握りしか生き残らない」んだから、その一握りだけ助けても根本的解決になってないんじゃね?
そしてこの情報自体が国民に秘密である事を、まさにさっきアクアの話でもやってるのに、何で国民みんなが知ってるの……?

元々の目的だけに絞ると、「魔女を解放する旅」の結果として「魔女を解放する手段」を手に入れたので、大成功ではあるんですよ。
でもそれって結局、当事者の魔女達にとっての大成功で、実は何回かマナスファが言っていた「自分を最後の魔女にする」は達成できていない。
魔女システムという存在自体の歪みにはメスが入らないままになっている。

勿論打ち切りなので、全てのテーマを解決する必要はないんです。
とりあえず大目標のうちの一つ、「魔女を解放する」だけ区切りを見せて終わりっていうのも、形として大いにありです。
では、何故今回だけこんなにひっかかるのか。

それは、「魔女システムの歪みを知った上で、「魔女の解放」だけで喜んでいる民衆」を描いてしまったからですね。
普通の民衆たちにとっては「定期的に若い女性が数千人単位で回収され戻ってこない事」が問題であり、その中で生き残った一握りの魔女が死ななくなっただけで、こんなに大手を挙げて歓迎する必要はないんですよね……。

何でこういう描写を入れちゃうんだろうなー。
普通に仲間内だけで「良かったね」で終わらせてしまえば、魔女システム自体を解決していない違和感はスルーできたんだけど……。


解決方法は魔子を封じる指輪の発明。
発明したのは当然というか、やはりドレイクさん。
いやー、この漫画は徹底してドレイクさん無双でしたね。

今回の魔子を封じる指輪を作ったのはドレイクさん!
バトルにおける最強キャラもドレイクさん!

この人がいれば全てが解決したのでは?というハイスペックさでした。
なのに何故主人公二人はこんなにやり遂げた感じになっているんだろう……。


さて終わってしまいました。
何というか、「週刊連載という激流の中に飲み込まれてしまったな」という印象です。

振り返れば、別になくても話が成立したゲンオードブル戦に、7話もかけたヴァリ国編。
肝心なのは2~3話だけだったドレイクさんとの出会いだけで、結果的に非常に偏ったシリーズ構成でした。

それもこれも、なんとなく「少年漫画の連載の定石」に振り回されていたように見えるんだよなぁ。
“自称魔女より強い男”や騎士剣刀術、ルーティンも、「主人公にバトル面で特徴を付ける」という定石が先にきてた気がする。
ゲン戦も「連載3話で中ボスと戦え」という定石に従って、あまり用意をしないまま雪崩れこんでしまった感じ。

最後の『魔法が使えなくなっても、”希望”という魔法で活きていく』という締め方も、非常に「それっぽい」んですよね。申し訳ないけど取って付けた感がある。
連載中はそこまでテーマとして描写されてなかったと思うので「最後なのでそれっぽく締めたんじゃない?」と邪推してしまうような流れなんですよ。

さっき触れた「大歓迎する民衆のシーン」も、あまり考えずに「大団円っぽいから入れた」と考えたら説明がつく。
せっかくなので登場人物達には、最後に幸せな風景を見せたいのが作者心。
気持ちは分かります。
でもそういう細かい端々からも、それっぽさに振り回されたのかなと思ってしまいますねー。

いやでも、週刊連載って大変ですよ、実際。
何となくライブ感を持って少年漫画の連載っぽい事を頑張ったんだけど、ちょっと坂野先生のやりたい事と結びつかなくて無理が出たのかなぁと思いました。

実現は無理だろうけど、素直な意味で、坂野先生に連載開始から終了までの変遷を伺いたいですね。
多分ストーリーの練り込みでかなりバタバタしてしまって全体の構成まで手が回らなかったんじゃないかなと予想します。
実際にやると公開処刑的に捉えられちゃうから難しいだろうけど……。

という事で、本作ではまだ坂野先生がどういう人かの判断も下せない感じでした。
坂野先生のやりたい(面白いと思う)事は今回私には見えてこなかったんですが、女性キャラの可愛さは評価されてたり、人間関係や世界観なども評価されてましたよね。
今回の経験を踏まえて、是非次の作品で見せて欲しいですね。
お疲れ様でした。

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