買われたら感想書くリスト企画の第二弾、かぐや様は告らせたい 14巻感想です。
Twitterでリアルタイムに読みながら実況したものをリライトして纏めたものです。
ちなみに過去のかぐや様感想の一覧はこちら。
ってオイなんだこの表紙!?最終巻か!?
あー…………
何か急に読むのが怖くなってきたな。
数巻にわたっての過去最大に丁寧な前振りからの、この14巻表紙。
恐らくこの14巻で普通の読者が大満足するような素晴らしい恋愛描写が行われる事は想像に難くない。
そう、5巻の花火回のように。
私の心は果たして……動くのだろうか。もうあんな思いはしたくない。
というか本当にあるまじき事だけど、
「14巻の中身は読まずに二人は幸せな結末を迎えたんだと自分に思い込ませて読書を終わる」という選択肢が頭をよぎっているからね。
いや贈ってもらったのでちゃんと読みますけど。最終的には読むんだけども。
花火回だって、単行本半分ぐらいの助走期間を経ておいて1mmも心が動かなかったからね。
アレだって未だに話題に出す程度にはトラウマになっているワケですよ。
単行本数巻にわたった長距離助走を経た展開でも1mmも心が動かなかった時、私の心はどこまで置いてけぼりになるんだろう。
「花火」に加えて「文化祭」「ハート」もトラウマになるのか?日常生活に支障が出るぞ?
これ以上グダグダ言うのも良くないか!ちゃんと読んでいきます……
132話
前回、白銀君が飛び級で海外の大学に行く事を四宮さんに打ち明けたけど、それまで残りあと10ヶ月か。
そして早坂さんに色々と乙女な想いを打ち明けつつ、ついに今日告白する事を決断した四宮さん。
物語がクライマックスに向かっている感がすごい。
今回、さすがにギャグの挟む余地がないな。
ところでそんな中、今回ちょっと震えてしまったのはこのシーン。

割とラブコメでありがちな引き伸ばし策を事前に否定する事で、「今回の結果を曖昧に濁す事はしないよ」という赤坂先生の覚悟を感じる。
133話
先に、石上君とつばめ先輩の話を決着。
作中でも「今日の石上はズレていた」って事でかなり無理矢理感はあるんだけど、石上君本人が気付かないまま「告白の返事は3月まで保留」という結論。
これだと今後の展開に自由を利かせながらつばめ先輩に石上君を意識させられるので、次に繋がるうまい着地だと思う。
さて、そんな感じで石上君の告白も一応の着地を見せつつ、いよいよ文化祭も終わり。
ラストイベントのキャンプファイヤーも始まった所で、再び謎の犯行声明。

白銀君が犯人なのは予想通りなんだけど、目的が一切予想できん!これ本当に告白へと繋がる行動か?
四宮さんも普通にキャンプファイヤー後に告白しようとしてたのに、やる意味はあるのか……
134話
なるほど、謎解きをバラ撒いたのは藤原さんを撹乱するためか。
でもそれなら、ハート盗んだり目立つ事しなきゃいいのに。
そして四宮さんが挑む、「会長の考えを読んで会長を探せゲーム」。花火回と逆の構図だ!
花火回……うぅ……今回は理解できたらいいけど……(執拗なトラウマ)
さすが、白銀君の場所自体はすぐに特定する四宮さん。
ロマンチックに身構えてたけど、「謎のテンションが薄れて急に恥ずかしくなってきた白銀君」と、「考えていた策に必要なアイテム、缶コーヒーとハートグッズの両方を失くしてテンパる四宮さん」と、少し場の空気が緩んだ所で、次回へ続く。
さて、どうなるか……
135話
このタイミングで、恐らく本誌ではセンターカラー?
う、うぉぉ……なんだこの雰囲気は……何か普通にドキドキしてきたぞ……どうなるんだ……

朴念仁の私にも分かる、丁寧な心理描写。
「怪盗を見つけたし、景品に欲しいものはあるか?」というフリに、怖くて言葉が出ずに泣いてしまう四宮さん(健気だ)

そしてそんな四宮さんを気遣う白銀君(優しい)
うん、私の中で感情移入度が良い具合に上がっているのを感じる。
さて、ここからどう展開していくのか……

う、うおおお!すげぇ!
辺り一面に舞うハート!ロマンチックだ!普通に素敵じゃないかこれ!
ハート盗んだのはこういう事かぁー!!
理解出来ないどころか、読んでてロマンチックを感じたぞ!なぜだ!?
というか、ちょっと読みながらニヤニヤしてしまった!気持ち悪ィ!!
136話
そしてこのタイミングで、白銀君視点での心情描写と経緯の振り返り。
読んでみると……な、なるほど~!
全ては「辺り一面のハート」を実現させる為に、わざわざ文化祭実行委員の仕事も引き受けて、藤原さんに謎解きを用意しつつハートを盗んで、目的のために色々と手を回していたのか。
今までの行動全てに理屈を付けくるのすげぇな!脱帽だ!
そして「白銀君から四宮さんに告白できない理由」も判明。
確かに1話だけ挟まれた過去編でもそうだったけど、一般庶民の白銀君にとって、四宮さんは高嶺の花だもんね。
かなり根本的に能力も立場も違う。
だから「四宮さんから告白してもらう事で初めて対等だと思える」のか。な、納得ゥー!
ここにきて展開全てに理屈を付けてくれるの、すげぇ有難いわ!
ここでどちらかが告白するかと思いきや、白銀君から「スタンフォードを受けろ」とお誘いが。
本来ならかなりムチャなんだけど、四宮さんは嬉しそうだし、四宮さんなら何とかなりそう。
今回で付き合って終わるかと思ったけど、感動的シーンもあったし、二人も進展したし、この着地なら読者も納得できるよね。

と思ったら行ったぁー!
うおおあぉぉマジか!漫画終わるやんけ!!!
ダメ押しのラスト。
四宮さんも「これが私の気持ちです」とか言ってるし、かぐや様お前……第一部終わるのか?
第二部の石上君編が次から始まるのか?
137話
白銀君と四宮さんの話題からちょっと引いて、周辺の話。
龍珠さん、文化祭編に一瞬だけ出てきた子だけど、白銀君の仕掛けの手伝いをしてたのね。仲良いのか。
でも白銀君も龍珠さんに「恩知らずめ」って言ってるし、何か本編単行本以外の所で龍珠さんとのサイドストーリーでもやってんのか?
あと自分が発案したキャンプファイヤーなのに、自分は参加せずみんなの為に見回りをする伊井野さん、やはり良い子ではある。
そしてそんな伊井野さんの為に、キャンプファイヤーを楽しんでいるみんなの動画を持って行って見せてあげる石上君も優しい。

そして明らかに石上君へのフラグが立ってしまった伊井野さんで、文化祭編終わりかな。
やっぱり第二部かこれは……!
さて、過去最大の長編だった文化祭編もこれで終わりかな。
次を読もうかと思ったら……おまけページに「親切なご案内」があって笑ってしまった。

赤坂先生、シリアス回の後に絶対はっちゃけるもんね……
かぐや様は告らせたい 文化祭編(ウルトラロマンティック回)を振り返る
さて、どうやら一旦区切りもついたようなので、読後の興奮が残っている今のうちにちょっと振り返るか。
14巻表紙から濃い恋愛展開が行われるという嫌な予感を感じていた化祭編、まさかこのロマンチック展開が普通に自分に伝わるとは思わんかったですよ。
自分でもびっくりした。
何かこの135話と136話、ずっとニヤニヤして読んでしまったよ。
何故今回は自分に響いたんだろうな。ちょっと考えてみよう。
私に響かなかった花火回と今回で違ったのは以下の3点ですかね。
- 登場人物への好感度(下地)
- 風船サプライズ直前の四宮さんの心理描写
- 展開に対する論理的必要性
順に考えていこう。
1.登場人物への好感度(下地)
これは本作初読感想の途中からずっと言っていたんですけど、読み進めていく毎にコメディを通して登場人物達がどんどん好きになれたんですよね。
特に白銀君の努力家描写には笑いつつも毎回応援できたし、変わりつつある四宮さんも健気で素直で初期よりも応援できた。
言うまでもなく、漫画 特にラブコメw読む上でキャラへの感情移入は非常に大切なので、この要素はデカイ。
2.風船サプライズ直前の四宮さんの心理描写
引き続き、これも感情移入に繋がる話。
ハート風船によるロマンティック描写に入る前に、四宮さんの心情をメチャクチャ丁寧に描写してくれたのよね。
白銀君が好きで、でも自分が嫌いで、自信がなくて、断られるのが泣くほど怖い。
ここに描写を割いて読者を四宮さん視点においてくれたから、その後のハート風船の描写を四宮さん視点で驚く事ができた。
「読者が四宮さんに感情移入して、四宮さん視点になる」事で、ハート描写を素直にロマンティックと受け止める事が出来たんだと思う。
私は別のラブコメ感想で「告白にサプライズ入れるヤツは付き合ってから大変」とか言った事があるんだけど、でもそれはあくまで読者視点の意見だからね。
四宮さん視点だと、そりゃ今回のロマンティックだよこれは。
3.展開に対する論理的必要性
「白銀君は無意味にサプライズをかます面倒くさい奴じゃないよ」という事で、今回の風船サプライズの必要性を論理的に説明してくれたのが一番デカイ。
白銀君の「自分から告白すると四宮さんと対等になれない」という認識で考えると、今回の風船サプライズが自分の気持ちをアピールしつつ、告白してもらえる手段なんだよね。実に意味のあるサプライズだ。
多分この3要素の1つでも欠けていたら、私は冷めてしまったり、乗り切れなかったんじゃないかなぁと思う。
いやぁ、素晴らしかったね!
(あと「私の中でハードルを下げまくっていた」という要因もありそうだけど、元々ラブコメ素養が皆無な私にとってはちょうど良い心理補助だったと思うのでスルー)
こんな所かなー。
頂いた14巻もあと半分。これからどういう展開になるのかだけ見届けて、かぐや様の初読感想もこの14巻でウイニングランだ。
10巻終了時点よりもずっとスッキリできたので、贈って下さった方には感謝しかないな。
138話

冒頭一コマ目からひどいな!!!
前話までの余韻を全て吹き飛ばす一撃、これは確実にわざとですね……
さて自宅で早坂さんと二人になる四宮さん、浮かれ過ぎて絵柄がデフォルメキャラみたいになっとる。
内容としては「初キスで深い方をかました」という四宮さんの報告で慌てる早坂さんと、遅れて重大さに気付く四宮さんの回。
すげぇ、めちゃくちゃ女子トークだ。
あと、翼・柏木カップルが神っていた事が正式に確定した記念すべき(?)回。
内容としては「ふーん」って感じに読んでたんだけど、
四宮さん:会長にどんな顔して会えば!?
白銀君:正式に付き合ってと言ったわけじゃないし、最後のキスで全部吹き飛んだ。
という事で、おぉ……何か付き合ってるのか付き合ってないのか、微妙な距離感になったな。
最後の決め手に欠ける状況か。
既刊21巻(感想当時)までこの微妙な状況が続くとは思えないけど、この「最後の決め手」が出るまでもう少し続く感じだろうか。
確かに私は先の風船回に高評価を出したけど、今後あまり露骨にイチャイチャされてしまうと吐いてしまうので程々にして欲しい。
139話

うお、ビックリした。前話以上に四宮さんがデフォルメキャラになった!
特殊な精神状態のみ現れるレアかぐやちゃんの回。
ここまで振り切ってくれると可愛いな。
最後は「漫画的表現でデフォルメしてるけど、実際はヤバイ感じの絵面だよ」ってのを伊井野さんが目撃するオチで、相変わらず面白いバランス。
さて、しかしこの話単体でも成立はしてるけど、「白銀君と四宮さんに対話の機会を与えない」という展開が続いているね。
さあ、どこまで引っ張る?
140話
つばめ先輩のクリスマスパーティーに呼ばれた伊井野さんと石上君。
少しだけ、伊井野さんの石上君への態度が変わりつつあるな。
パーティーは二日後らしいんだけど、何かまたラブラブイベントを突っ込んできそうな予感。
恐らく次巻以降の掲載かな?良かった。(何でだよ)
ちなみにこの140話、どうも実写映画化が決まった回みたいで、「四宮さんは例えるなら橋本●奈ぐらい美人だな」みたいな話が出てくる。
確かに映画、やってるらしいね。

「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~」 通常版 [Blu-ray]
私もこの前TVで放送してたのを観たけど、設定したハードルは超えてたし、面白かったよ。
当時の一連のツイートはこちら(↓)。
初めて漫画の実写化を観て一番感動したのは、
— トドオカ (@todooka) January 5, 2021
・役者さんの見せ場作り
・漫画の再現度高く、シーンもなるべく入れる
・映画単体として話を成立させる
という相反する要求を、各所折り合いを付けて落とし所を見つけるという、脚本家の努力と葛藤ですよね。これ大変だよ。絶対にやりたくない仕事だ。
141話
未だ混乱の最中にいる、四宮さん脳内裁判。
おー、久しぶりだな。
でも有難い事に、ギャグ的な脳内裁判の形をとりつつも、問題点を分かりやすくまとめてくれている。
やっぱり赤坂先生はこういう組み立てが上手い。
議題は
- 白銀君との関係
- 四宮さんのスタンフォード海外留学について
- 大人キッスについて(まだ引きずってるの!?)
- 白銀君との関係
1.白銀君との関係
「相思相愛なのは間違いないのは分かったが、言葉が欲しいので現状は友達以上恋人未満」か。
この段階でこう言うって事は、具体的な告白回が近々に控えているのかな?
この状態でズルズル引き延ばしをしないという信頼は既に獲得している。
2.海外留学について
進路の話なので、これやっぱ相当な難関みたいね。
問題は学力じゃなくて「お父様の説得」かー。
お父様、人間らしい部分が無いみたいだし、四宮さんのパーソナリティにも根差した深くシリアスな問題になりそうね。
今後の恋愛以外の縦軸になりそうで、少し気になる。
3.大人キッスについて
ここで意外な展開。
今まで冷静だった検察役のかぐや(氷)が「会長を最初に好きになったのは私」「会長からキスして欲しかった」と大暴れして……

リアルで入れ替わった!?
脳内会議だと思ってたのに、入れ替わるって事は四宮さんはリアルに人格が複数あるの!?なにこれ!?
いやー…………どうなんだこれ。
先のレアかぐやちゃん回もそうだったけど、漫画表現とリアルを冷静に切り分ける赤坂先生だけに、どういう事だろう。
漫画表現としての脳内会議じゃなくて、マジで複数人格あるのか?
このタイミングで解離性同一性障害みたいな、全く笑えない話をもってくるつもりか?
果たしてそれはどうなんだろう。
14巻および、本作3度目の振り返り
風船回については先に振り返った通りだけど、何か最後の話が気になってしまった。
多分普通の読者とは違う方向で、四宮さんが解離性同一性障害じゃないか気になって仕方ねぇ。
しかし最終ページに「次章 ファーストキスは終わらない」と書いてるので、多分恋愛展開のはずだ。
そういう精神体な病気という深刻な話じゃなくて、あくまで漫画表現の一つであってくれ。頼む。
さておき、14巻まで読ませて頂いた事で間違いなく本作の印象は変わった。
5巻→10巻→14巻と、私の印象も段階的に良くなっていったよ。
相変わらず伊井野さんと石上君周辺の恋愛の芽生えみたいなのには1mmも興味が湧かない(我ながらヒドいけど)ため、恐らく恋愛耐性がついたワケではない。
多分シンプルに、風船によるウルトラロマンティック回の出来が良かった。
私が森羅万象の中で最も興味がない事の一つ「学生の恋愛」を題材にした本作、圧倒的アウェイの中で14巻まで読み続けられるとは思わんかったし、ましてやその恋愛展開がここまで自分にヒットするとは思わなかった。
『かぐや様は告らせたい』、総括としては間違いなく名作ですね。良い漫画です。
ここまでお付き合い頂いてありがとうございました!
後日
ある御方からDMで「既にポストに入っていると思うので明日確認してください」と連絡がありました。
— トドオカ (@todooka) March 5, 2021
OH……ありがとうございます……
という事で、もうちょっとだけ続くんじゃ(何回言うの?) pic.twitter.com/Vwca5sIQO7
つづく!(次で本当に終わりです)
